秋葉原歩行者天国(東京都千代田区2015/06)

~外国人比率がいっそう高まりました、厳重警備で禁止事項が厳守されているホコ天~

 

あの事件が2008年。歩行者天国の再開が2011年。再開されてはや4年になります。

秋葉原歩行者天国

再開にあたって定められた禁止事項は4つ。「物品販売禁止」「パフォーマンス禁止」「自転車走行禁止」「ティッシュ・チラシ配布禁止」。いまでも厳しく守られています。

このため過去の、そして現在ある他の歩行者天国とは違う、独特の雰囲気のホコ天になっています。

 

所定のベストを着用した警備のスタッフが、道路の中央部に一定間隔で仁王立ちしています。街の自警団といったところでしょうか。全員男性で40代から50代くらいの人です。

 

そのスタッフの立ち位置の側には、前出の禁止事項が描かれた立て看板が設置されています。総勢で何人立っているのか数えませんでしたが、10人くらいは一定間隔仁王立ちの自警団スタッフがいると思われます。最低でも交代要員が同数いるでしょうから、20人くらいのスタッフで自警しているのでしょう。

 

4つの禁止事項は厳守されています。ホコ天では、営業しているメイドファッションの女の子などは一人も見かけません。音楽もまったく聞こえてきません。ホコ天にいるのは、ただ歩いている人と、記念写真をとっている人です。

 

今回訪問したのは、午後3時過ぎ。ホコ天にいる人のおおよそ3割くらいが、海外からの観光客と思われる人です。記念写真を撮っているのは、ほとんどが海外からのお客さん。自撮りも盛んです。

秋葉原歩行者天国

パラソル付きのテーブルとか、ベンチとか、ゴミ箱とか、ホコ天のイメージで思い浮かぶ“付き物”は何もありません。

道路の歩道の一角にテントと椅子が配置され、警察官とおそらくは自警団の交代要員のスタッフが詰めています。

パッと見た目では解りませんが、20カ所以上に防犯カメラが設置されていて、更に店頭からの目視が10箇所以上から常時行われているそうです。

 

あの事件が車での乗りつけ犯罪であったためでしょう。そういう可能性があるえる、一般道路とホコ天の接点となる箇所はもっとも警備スタッフが厚く、車の進入を防ぐバリアも頑丈です。二度とあのような犯罪を起こさせない、地元の人の決意が伝わってきます。

秋葉原歩行者天国

禁止事項が守られ、警備スタッフが仁王立ちで、パラソル一つない。そういう状況なので、昔からのホコ天のもつ、独特の華やかさ、明るさ、軽さなどは、あまりありません。

 

ホコ天とはそういうものだ、という先入観があると、これはなんだという印象を持つかもしれません。現在行われている、銀座、新宿のホコ天の雰囲気とも、明らかに違います。それが今の秋葉原歩行者天国です。

 

それでも集客力はあります。皆さんただ歩いているだけですが、結構楽しんでいるように見えます。アキバブランドは、海外の人にも人気。特に海外からの観光客は、ホコ天で、はしゃいでいます。

 

日本人の多くの人は、まだあの事件の記憶が強くて、はしゃぎきれないのかもしれません。自警団の警備が厳重であるほど、その仁王立ちの姿をみて、事件の記憶がよみがえる気がします。

 

あれだけの凄惨な犯罪が発生して、死傷した被害者がでたその場所で、楽しいパフォーマンスや、アキバらしい明るく軽い営業行為などをして浮かれて遊んでいいのか。そういう日本人的な思いが、このホコ天には漂よっています。

時間がたち、そういう思いが風化すること自体が悪だ、という思考もあります。難しい問題です。

 

凄惨な事件の現場であること、世界の人から愛される文化の街であること、現実として抜群の集客力があること。矛盾する事実を抱えた秋葉原歩行者天国です。これからも難題を抱えながら、ゆっくりと変わっていくのでしょう。アキバホコ天、2016年のリポートでした。