秋葉原ラジオ会館(東京都千代田区2015/07)

秋葉原ラジオ会館

 

~時代の流れを写す鏡のようなビル、アキバ信仰外国人観光客の巡礼スポット~

秋葉原ラジオ会館

新ビルになって1年が経過しました。今のところ、目立った店舗の転廃もないので、各テナントさんは営業的に順調なのでしょう。まさに現在の秋葉原を象徴するような店舗構成。オタク、マニア系のお客さんが続々とビルに吸い込まれていきます。男性客が8割から9割。圧倒的に男性客が多い、男の城です。

 

2014年竣工のビルですから、基本はバリアフリーです。正面入り口には、障害者へのサービスメッセージボードが据えられています。床面はフラット。エレベータあり。障害者用トイレは2Fの一か所だけですが、ちゃんと用意されています。

 

ただし、ほとんどのテナントさんの通路幅は狭く、車椅子ユーザーの利用を意識はしていません。実際には、よほど空いているとき以外は、車椅子で快適に利用できる状況ではありません。

 

戦後の日本とともに、テナント店舗が変遷してきた会館です。昭和40年代頃までは、電線、コンデンサーなど電気系の各種のパーツを販売しているお店が主流。真空管もバラで売られていました。秋葉原全体でも、パーツショップがたくさんあった時代です。

 

昭和50年代頃からは、オーディオ系のショップが主流に。石丸電気など大型店舗で値段をチェックして品定め、ラジオ会館でそれより安く買う。オーディオ機器のこういう購買行動が一般的でした。

 

平成になるとパソコン系のショップ。その後、オタク系のショップと続く流れは、皆さんよく御存じのこと。

 

旧ラジオ会館は、増築改装が重なったビルで、それはゴチャゴチャしていました。間違っても車椅子で乗り込めるビルではありませんでしたが、それが独特の雰囲気を醸し出していたのも事実です。

 

新ビルの名称はどうするのかと興味をもってみていましたが、「世界のラジオ会館」、変わらずそのままの名称となりました。現在のこのビルのお客さんは、名称の意味すら解らないでしょう。

 

昭和25年開業の“ラジオ”会館です。現在のラジオ会館で、往年の雰囲気のある電気屋さんは2店舗です。並んで出店しています。この2店舗だけがアナザーワールド。店主さんも時代を超えた雰囲気をもった素敵な方のようです。いつまでも営業を頑張っていただきたい老舗です。

 

この2店舗以外は、電気屋さんであっても、現在の秋葉原的な店舗がならびます。もちろんメインはオタク系、マニア系。ピンポイントに絞り込まれた独特の世界が広がります。

 

興味ない人には、何だかわからない商品が並び、その価格に驚かされます。アニメ系のドール商品などは、もはやかつての“フランス人形”のようです。将来においては、精巧な技術で創られた芸術品としての評価が得られるのかもしれません。

 

カード系ゲームの対戦ができる“場”もいくつか用意されています。今回訪問したのは、休日のお昼前の時間帯でしたが、多くの青少年男子たちが、その場で出会った同好の好敵手たちと、勝負をしています。いずれの会場も盛況。アキバに集う青少年たちの休日の風景です。

 

ラジオ会館の中は、外国人観光客があふれていました。見る限り国籍人種に隔たりはなく、アジア系、欧米系とも、広く等しく来場しているようです。

 

一店舗、小さめのオタク系ショップが、入口のカーテンを閉めて「一時休業中」という札をだしています。中が見えないのですが、店内にはお客さんがいる気配。確証はありませんが、ひょっとすると、誰かが「貸し切り」しているのかもしれません。曝買い、恐るべし、です。

 

外国人観光客の皆さん、迷いなくラジオ会館内を回遊しています。きっと世界的に有名なスポットで、各国語で情報があふれているのでしょう。まさに「世界のラジオ会館」。ビルの名称に時代がやっと追いついてきました。

 

この先、ラジオ会館はどう変わっていくのでしょうか。世界のニーズが秋葉原ラジオ会館を変えていく。そういう時代になりそうです。