北の丸公園(東京都千代田区2017/04)

~まもなく開園50年、遺構と自然と文化施設が混在する皇居外苑北の丸地区~

 

・アクセス路はすべて坂道、駐車場料金の障害者減免なし

日本武道館、科学技術館が建つ北の丸公園。公園内の傾斜はそれほどではありませんが、園に至るアクセス路はすべて上り坂。九段下から、竹橋から、車椅子の通行にはパワーが必要です。

園内には3カ所有料駐車場があり、ここからなら園内はほぼフラットで移動可能。ただし駐車場料金の障害者減免はありません。

 

・障害者用トイレは5か所、北の丸休憩所がお薦め

園内の公衆トイレには障害者用が設置されています。なかでもお薦めは北の丸休憩所のトイレ。武道館よりの第三駐車場そばにあります。いずれも手入れが行き届いたトイレ。車椅子での園内散策に大きな問題はありません。

北の丸公園

・昭和天皇還暦を記念して整備された、実は若い公園

開園は1969年。まもなく開園50年です。入園無料。江戸時代からの公園ではありません。江戸時代は武家屋敷。明治から昭和にかけては近衛師団の兵営地で多くの建物があり、戦後に森林公園に改修されました。芝生や池、里山風の緑地などは、すべて戦後の造営です。北の丸公園の森林は実はまだ若く、深化を続けています。

 

・車椅子で遺構と自然は楽しめますが、文化施設はやや辛い

残念ながら日本武道館と科学技術館は、基本構造がバリア。車椅子の利用が快適な施設ではありません。車椅子では、江戸城の遺構や銅像、そして四季折々の草花を楽しみましょう。この内バリア構造なのは清水門。雁木坂という江戸城遺構の段差ルートがあります。清水門は車椅子では遠くからの鑑賞。田安門は段差なしです。

 

・銅像が誰かが解れば北の丸通

とても目立つ銅像や塔があります。田安門の横の靖国通りから見える塔は「皇紀二千六百年植樹記念碑」。神武天皇即位から2600年という意味で、1940年のこと。「品川弥次郎銅像」も明治維新の英雄ですが、今や知名度は低い。工芸館近くには「北白川宮能久親王銅像」。幕末の輪王寺宮にして明治の伏見宮。最後は近衛師団長として台湾で亡くなった皇族です。園中央部に建つ「吉田茂銅像」は皆さんご存知の戦後の首相です。

 

・ここは都心の自然の宝庫

総面積19.3ha。確認されている植物は743種、キノコ類が206種、鳥類57種、昆虫545種、爬虫類8種、両生類3種、陸生貝類が17種と公表されています。クワガタの生息が確認されている森林です。アゲハチョウくらいなら、歩道上でいくらでも舞っています。

 

・飲酒、ボール遊びなど、禁止事項は多々あり

桜の名所ですが飲酒は禁止です。ボール遊び、バトミントンなども禁止。ここは環境省管轄の国民公園。縛りはキツイ公園です。静かに大人しく、車椅子で遺構や自然をお楽しみ下さい。

六本木高林山法典寺(東京都港区2017/04)

~六本木交差点に近くにある、枝垂桜が美しい日蓮宗のお寺~

 

六本木の中心部に位置するお寺です。

 

境内には大きな枝垂桜があり、春には美しく咲き誇ります。

場所は六本木交差点から芋洗坂を下り、横道に入ってすぐ。門は階段ですが、少し先に車の出入口があるので、車椅子ではそこから境内へ。本堂内へは靴を脱いで上がります。

高林山法典寺

枝垂桜は境内の中央にあります。

お花が咲く時期は、お釈迦様のお誕生日である「花まつり」の頃。法典寺でもこの日はイベントを開催。初めてこのイベントに伺いました。

 

2017年は、模擬店では焼きそばなどを販売。来訪者へは甘茶の無料サービスと、希望すればお抹茶の野点サービス。境内でベンチシートに腰かけながら、枝垂桜を鑑賞することができます。

車椅子での桜鑑賞は可能。六本木交差点近くとは思えない、ゆっくりとした時間が流れます。

 

もちろん法要があり、参列自由。他には落語会、琵琶の弾き語りなども。

落語会は本堂の中で木戸銭は千円。これだけは有料イベントです。

 

法要は境内の枝垂桜の前で行われる予定でしたが、2017年の花まつりの日は、天候が不安定であったため、本堂内で法要が執り行われました。

 

本堂内へは、車椅子のままでは行くのは難しい構造。その人の状態次第ですが、お寺のみなさんの力を借りて、どうにかすることは出来るかもしれません。ご自身の障害に応じて、対応策をご検討下さい。

 

日蓮宗の公式ゆるキャラをご存知でしょうか。「こぞうくん」です。

2017年の花まつりの日には、法典寺に「こぞうくん」が登場。お寺にお伺いした時は、境内に佇んでいましたが、その後介助役の人と一緒に芋洗坂まで遠征。

帰るときに見ると、芋洗坂に「こぞうくん」が無言で立っていました。

何のインフォメーションもないので、たまたま通りかかった人は状況が理解出来なかったと思われます。

 

境内に伺い、無料の甘茶をいただき、枝垂桜を眺め、本堂に向かって参拝しただけなのですが、お土産としてバナナを一房いただきました。来訪者全員にバナナプレゼントがあったのかは不明です。

 

御住職のお話では、秋のお庭も、お花が美しいそうです。春だけではなく、秋もおいで下さいということ。

芋洗坂からの横道は坂道ですが、介助者がいれば車椅子利用者でもクリアできるレベル。車入口から入った境内は、フラットです。

 

六本木でゆっくりとした時間を過ごしたくなったら、高林山法典寺へ参拝にお出かけ下さい。

高橋是清翁記念公園(東京都港区2017/06)

~舗装通路はほぼありません、車椅子での利用は気合が必要な2.26事件の地~

 

・邸宅の日本庭園がベースのバリア公園

青山通りに面した高橋是清翁邸宅跡地です。1941年に公園として一般開放された歴史ある公園。出入口付近こそ児童遊園として再整備されていますが、奥は邸宅の日本庭園がそのまま生かされた公園で、とても趣深い。春夏秋冬、季節の移ろいを感じる大人向けの公園です。ただしほぼ全域がバリア。車椅子での散策は楽ではありません。

高橋是清翁記念公園

・石燈籠などオブジェが点在する公園

緑豊かな園内はオフロード歩道。ガタゴトがキツイ箇所も多々あります。車椅子では、行けるところまで、見える範囲だけ。車椅子で散策する場合は、なるべくフラットに近い歩道を無理せずに進んで下さい。池には石橋、各所に石燈籠や石人像が配置。広さは約1,600坪。桜、紫陽花、紅葉など、季節の植栽も素敵。オールシーズン楽しめる日本庭園です。

 

・2.26事件暗殺の地で昭和を思う

高橋是清翁は、この地にあった邸宅で、青年将校に暗殺されました。公園の奥に是清翁の坐像が鎮座しています。2.26事件の青年将校たちは、昭和天皇に反乱軍と否定され鎮圧されましたが、後年からみれば時代の曲がり角を象徴する暗殺事件。大人向けの公園で、昭和の歴史に思いを馳せましょう。

 

・是清翁の人生は波乱万丈、破天荒

首相、蔵相、日銀副総裁などを歴任した高橋是清翁ですが、その人生は現在の常識では考えられない破天荒ぶり。無理やり立候補して官費で米国留学をするが、あまりの素行の悪さにあきれられ、米国では奴隷になり・・・。伝記類が少ないのですが、機会があれば一読されることをお薦めします。是清翁の波乱万丈な人生を知り、この終焉の地に立つと、よりいっそうの感慨を覚えるはずです。

 

・邸宅建物は小金井公園にあります

暗殺された住居の建物は、小金井公園の江戸東京たてもの園に移築されています。都の施設なので、たてもの園は障害者手帳の提示で入園料が無料に減免されます。高橋是清翁記念公園は港区の施設で入園無料です。

 

それにしても、いつ来ても人が少ない。歴史のある趣深い日本庭園ですが、知名度は低い公園です。基本がバリアなのが残念。

車椅子では無理のない範囲で、記念公園をお楽しみください。