長野県乗鞍自然保護センター(長野県松本市2017/05)

~乗鞍の生き物、地質、文化を展示、高原唯一のバリアフリー公共施設~

 

・スロープ対応、障害者用トイレ有り

乗鞍高原の中心部にある、長野県立の施設です。広大な無料駐車場には障害者用駐車区画あり。建物エントランスはスロープ対応。設備は古いながらも障害者用トイレあり。大自然の中としては、奇跡のようなバリアフリー公共施設です。こんなところに車椅子で利用できる施設があることに感嘆します。

長野県乗鞍自然保護センター

・希少動物の宝庫、館内はライチョウの展示から

入館無料の施設です。冬季は閉館。4月から11月が開館期間です。館内の展示は特別天然記念物ライチョウから始まります。ライチョウの生態をパネル展示。高山帯に住む孤高の鳥。絶滅危惧種です。乗鞍には推定で100羽ほどが生息しているということ。生息域には車椅子では絶対にいけません。「乗鞍自然保護センター」で勉強しましょう。

 

・乗鞍岳は標高3,000m超の高山

乗鞍岳は日本で3番目に高い火山です。その成り立ちをかいつまんで記すと、もともとの地盤が隆起した地質が2,300m、そこに火山噴火による堆積物が700m乗って3,000m超。比率でいえば火山よりも隆起のほうが大きい山です。乗鞍高原は火山活動の痕跡。溶岩の噴出でできた溶岩台地。「乗鞍自然保護センター」は、溶岩の上に建つバリアフリー公共施設です。

 

・希少コウモリの「バットハウス」あり

乗鞍高原は数種のコウモリの生息域。そのなかでも「クビワコウモリ」が希少種。集団繁殖しているのは、乗鞍高原だけということです。そこで繁殖用のコウモリ小屋が、センターの横に建てられました。その名も「バットハウス」。高層丸太小屋のような建物です。繁殖させて生態の調査、種の保護を行っています。外観を見るだけですが、お見逃しなく。

 

・マイカーで行ける乗鞍

古くから山岳信仰の対象であった乗鞍岳。遅くとも江戸時代には、乗鞍高原で人々の生活があったそうです。近代、温泉開発、スキー場開発などによる環境破壊が進み、現在では乗鞍スカイラインなどはマイカー乗り入れ禁止。車椅子利用者にとっては、足を踏みいれるのが大変な環境保護エリアです。

乗鞍高原までがマイカー乗り入れ可能区域。松本ICから1時間ほどです。ここまでなら車椅子で簡単に行くことができます。

 

「乗鞍自然保護センター」を目指して、車椅子でお出かけ下さい。

乗鞍一の瀬園地(長野県松本市2017/05)

~頑張ると車椅子でミズバショウが鑑賞できます、乗鞍高原のど真ん中ある湿原~

 

・自然自生のミズバショウに車椅子で出会える場所

乗鞍高原にある湿原域「一の瀬園地」。ミズバショウに車椅子で出会える場所です。高原のど真ん中に約60万㎡ある広大な湿地帯。その一部が整備され、頑張れば車椅子で散策が出来ます。一部の情報では、ベビーカーでも楽々遊べる・・、などとありますが、さすがにそれほどバリアフリーではありません。ある程度は頑張る必要がある「一の瀬園地」です。

 

・5分進めばミズバショウ

最も楽に車椅子でミズバショウに会えるルートを、開花シーズンの5月に検証しました。アクセスは車。「ネイチャープラザ一の瀬」を目指し、その前にある広大な無料駐車場に停めて下さい。残念ながらオフロード駐車場。ガタゴト道を頑張って「一の瀬園地」方面へ。駐車場から30mほど頑張ると、舗装歩道が始まります。

1.6kmほどある歩道ですが、300m進むと、最初のミズバショウ群生に出会えました。歩道の脇の水の流れの淵。感動の体験です。

 

・その先はアップダウンがキツイ

遊歩道はキャンプ場まで続きます。ミズバショウの群生に魅せられて、どんどん進みましたが、アップダウンがキツイ。車椅子での通行には、かなり根性が必要です。一部区間は屈強な介助者がいないと無理なレベル。どこまで頑張るかは、ご自身の障害の状況に応じてご判断下さい。先にいけば行くほど、数多くのミズバショウに出会えます。

乗鞍一の瀬園地

・キャンプ場はバリア、その先もバリア

大きなミズバショウの群生地は、歩道の終点地キャンプ場の更に1.5km先にあります。そこまでは無理でした。キャンプ場自体がオフロードで、その先の通路は更に厳しいオフロード。とても車椅子で乗り入れる道ではありません。

ガイドブックなどに載っているベストビューポイントは、この車椅子では無理な大きなミズバショウの群生地です。車椅子利用者は舗装歩道沿いの小さなミズバショウ群生で、満足しましょう。

乗鞍一の瀬園地

・トイレは障害用もあり

トイレは公衆トイレレベルですが、あることはあります。「ネイチャープラザ一の瀬」横の公衆トイレに、障害者用が併設。それほどお薦めできるトイレではありませんが、いざという時はどうぞご利用下さい。

キャンプ場の公衆トイレにも併設。ただしキャンプ場は7月8月だけの営業なので、4月から5月のミズバショウの季節はトイレも閉鎖されています。

 

・別ルートで木道があります

「ネイチャープラザ一の瀬」から南方面に1.5kmほど進んだ場所に駐車場があり、そこからキャンプ場まで木道があります。今回このルートを車椅子で実証しようと思ったのですが、雨が降ってきてしまい断念しました。またの機会に、車椅子で利用できるのかを実証します。

 

少し気合を入れれば、車椅子でミズバショウが鑑賞できます。ぜひ自然自生のミズバショウに会いに、お出かけ下さい。

諏訪市博物館(長野県諏訪市2017/01)

~諏訪市バブル期企画の箱モノです、車椅子でゆっくり鑑賞できる有料博物館~

 

1990年オープン。諏訪大社上社本宮前に建つ、諏訪の歴史と民俗を紹介する「諏訪市博物館」。博物館というより歴史民俗館のイメージです。

 

障害者手帳の提示で本人と介助者1名の入館料が半額に減免。2階建て構造でエレベーターあり。段差はスロープ対応有り。障害者用トイレ有り。車椅子での利用に大きな問題はありません。

 

駐車場は無料。障害者用駐車区画はありますが、そこは1990年モノの施設。今どきのバリアフリー駐車場ではありません。基本は段差構造。スロープを乗り越えながら、車椅子で進んで下さい。

 

敷地内に無料の足湯コーナーがあります。その名は「神宮寺足湯」。神宮寺源泉かけ流しで、冬場は風よけの簡易なビニールの覆いがつけられます。残念ながら、この足湯は特に車椅子対応はありません。ごく普通の、バリア構造の足湯です。

 

「諏訪市博物館」館内へ向かいます。館内に入るとすぐに「トイレを利用される方は受付に声をかけて下さい」という掲示が目に入ります。有料の施設ですが、声をかければトイレだけを無料で借りることができる、ようです。大きな掲示があるのですから、そういうニーズが高い施設なのでしょう。

立地は諏訪大社上社本宮の目の前。参拝者がトイレだけを借りに寄ることが多いのでしょうか。もちろん、驚くような豪華設備のトイレではなく、ごく普通のトイレでした。

諏訪市博物館

メインの展示場は2Fです。展示室1は諏訪の歴史、展示室2が諏訪の民俗の展示です。歴史といっても展示の中心は「諏訪大社」と「御柱祭」。諏訪といえばやはりこれです。

江戸時代に大工の棟梁が製作した「神社彫刻の竜」の横柱の展示は迫力あり。

「御柱祭」の映像も流れています。

 

展示室2の民俗展示の中心は、諏訪湖の「御神渡り」。他には諏訪の伝説の紹介なども。諏訪は神に選ばれた地。大社、祭り、自然。よく勉強して諏訪の知識を深めましょう。

 

1Fに戻ると、なぜか「世界の蝶」の展示室があります。いわゆる蝶の標本が並ぶ展示です。それほど広い展示室ではありませんが、これだけの数の標本は凄い。その数約2,000頭ということ。長野の蝶の標本もあります。

 

1Fにあるもう一部屋は「ティールーム」。その名の通り、自販機とテーブル椅子があり、小さなTVで「御柱祭」のビデオが放映されています。1Fのアトリウムには、御祭り関係の展示も。

2Fのフリースペースには、「御神渡り」関係のパネル展示が。

「諏訪市博物館」とは何か問われれば「御柱祭」、「御神渡り」、「世界の蝶」を知る博物館、と答えれば間違いはありません。

 

今回訪問したのは、冬場の休日。観光オフシーズンのため、滞在時間中、博物館は他の来客無しで、貸し切り状態でした。

そのような館内状態ですが、しっかり暖房は効いて、温かい館内です。ある意味、贅沢な時間を過ごすことが出来ました。

ちなみに、行きと返りに足湯を覗くと、同一人物が一人だけで長湯を楽しんでいます。彼も、贅沢な時間を過ごしている人です。

 

諏訪は歴史ある古くからの里です。縄文時代から、途切れなく人類の痕跡が残っています。

「御柱祭」は、遅くとも平安時代にはあったイベントということ。1000年以上続くイベントです。

「御神渡り」は近年、なかなか出現しません。寂しいことです。

 

諏訪の象徴である「御柱祭」と「御神渡り」を知る博物館です。諏訪大社上社参拝のついでに、お立ち寄りください。