道の駅こすげ(山梨県小菅村2015/04)

~ハード先行でまだソフトが追い付いていません、秘境小菅村に誕生した道の駅~

 

2015年3月29日開業。出来たてホヤホヤの道の駅です。以前からあった日帰り温泉「小菅の湯」の隣接地にできました。ターザンごっこが楽しい「フォレストアドベンチャーこすげ」も隣接しています。

 

小菅村のこれからの観光産業を担う、期待の新施設。新しいだけに、当然バリアフリー度は高い道の駅です。

 

道の駅こすげの話題に入る前に、アクセスルートの注意情報をレポートします。

小菅村、山梨県大月方面からの国道139号線ルートはひどい悪路でした。それが2014年11月に「松姫トンネル」が開通し、アクセスが大幅に改善された、ということになっています。今回この大月からの国道139号線ルートを試してみました。

 

確かに「松姫トンネル」は快適なバイパス。この区間の旧道の悪路を通らなくてすむようになったのは、大きな進歩です。

でも大月から「松姫トンネル」までの国道139号は、まだまだ“これが国道か”というレベルの生活道路。見通しの悪い狭い山岳道路も、うんざりするほど残っています。

大月からのアクセスは、実際にはまだまだ不便です。ご用心ください。

道の駅こすげ

小菅村。秘境感のある村です。東京から2時間圏でこの秘境感。人気の秘密でしょう。

 

今回訪問したのは日曜日。二輪ライダー集団がツーリングを楽しんでいました。道の駅にも二輪ライダーが大勢終結中。それを見越してか、二輪駐車スペースをたっぷりとってある道の駅です。

障害者用駐車スペースも2か所に計4台分、屋根はない一般タイプです。

 

施設は、物販店舗、レストラン、地域情報コーナーから構成されています。

 

トイレはインドアトイレと屋外一戸建ての変形タイプの2か所。いずれにも障害者用トイレが一つあります。

出来立てなので、どちらのトイレもピカピカ。広さ、設備、清潔感いずれも合格の障害者用トイレです。安心してご利用ください。

 

今回訪問は日曜日の午後1時過ぎ。レストランは4組ほど“ウエィティング”になっていました。実際に利用はしませんでしたが、見る限り車椅子での利用に問題はなさそうです。

周辺には飲食店は全くありません。山中の唯一のレストランです。石窯を用意したようでマルゲリータ950円、などの開業スタートメニュー。これからどういう進化を見せるのでしょうか。

 

物販店は地元の新鮮採れたて農産物は数少なく、加工食品が中心です。木工工芸品なども少々陳列されています。

道の駅こすげ

残念ながら、現在のところ売り物が少ない。商品開発、商品調達が出来ていないようです。買い物意欲満々のお客さんが来ているのに、買う気になるものがない、そういう状態です。ショップはそれほど大きくありませんが、商品はスカスカの印象です。

店内への入口正面ドアは自動ドア、床面はフラット、通路幅は並みレベルです。車椅子での店内回遊は十分できます。

 

地域情報コーナーは、更にソフト面が貧弱です。地域を紹介するコンテンツが足りません。ゆっくりとレベルを上げてください。

 

小菅村は山間にあります。広い面積のある平地の農地はおそらくほとんどないでしょうから、いわゆる農産物産直ショップ形態は、品揃えが難しいでしょう。

 

道の駅で何を売るかです。今回訪問時は、屋台などの出店は全くありませんでした。

安易な発想ですが、お団子、から揚げ、バーガー類、アイスなど、よくある出店方式のテイクアウト品を販売したら、売れると思います。ただ派手な旗を立てて、俗っぽい商品を売ると、秘境感は薄らぐかもしれません。

二輪ライダーに何を売るのかも、難しい。キャベツやゴボウは買わないでしょう。

 

観光産業を伸ばしたい、という小菅村の気合は伝わってきますが、現時点ではハード先行でまだソフトが追い付いていません。これからが知恵の出しどころです。東京2時間圏の秘境立地を活かした商売が成功することをお祈りします。

道の駅たばやま(山梨県丹波山村2015/04)

~東京と山梨の県境、日帰り温泉の駐車場に出来た小さな道の駅~

 

「丹波山」と書いて「たばやま」と読む村です。東京からみれば、奥多摩の更に奥座敷になります。

 

「ローラー滑り台」や「釣り堀」は昔からある村の有名観光施設。そして日帰り温泉施設が出来て、その駐車場に道の駅が誕生しました。道の駅は平成21年開業。まだ新しい施設です。国道411号線、青梅街道に面しています。

道の駅たばやま

日帰り温泉の駐車場といっても、温泉施設は川の向こう側。長い坂を下り、吊橋を渡って行きます。車椅子で行けることはいけますが、駐車場からは遠い。

吊橋で川を渡って行く温泉。風情があるといえばあるのですが、これほど駐車場と施設が離れた設計なのは珍しい。初めての方は、この距離感からお楽しみください。

 

先に駐車場があり、後から道の駅施設が出来ましたが、見たままもそう。いかにも後付だろう、という施設です。

道の駅施設は、食事処、物販ショップ、独立トイレ棟、観光案内所で構成されています。いずれも“小ぶり”。この周辺は二輪ライダーツーリングの聖地。今回訪問時もツーリングを楽しんでいるグループが、大勢集まっていました。

 

食事処は「軽食堂R411」。自ら軽食堂と名乗る“小ぶり”な食堂です。ジビエ料理にも挑戦しています。

入口はスロープ構造なので、車椅子でも入れそうですが、中はややせま苦しい造り。どうでしょうか、車椅子での快適な利用は難しい雰囲気です。

周辺にはあまり食堂はありません。ランチには遅い時間でしたが、ライダーの皆さんで店内は賑わっていました。

 

物販ショップも“小ぶり”です。丹波山村は山間の村。広い農地はないので、農産物は限定的。加工食品、工芸品を入れても、地元の物産品の数はそれほどでもないのでしょう。

イベント開催時などは屋外テントで商品販売をすることを考えれば、このショップの狭さは商品数から見れば適正です。ただ狭いお店なので、車椅子での店内回遊はやや苦戦します。もっとも回遊というほどの広さではありませんが。

道の駅たばやま

トイレ棟は一戸建て方式で、障害者用トイレは一つあります。トイレのレベルは並み。正直に言って上等ではありません。ただ近隣に障害者用トイレはありません。実用には耐えるので、ご利用ください。

 

障害者用駐車スペースです。関東道の駅のHPの情報では「6台」となっています。6台もあるのか凄いな、と思ってはいけません。駐車場の一番施設よりの普通の区画が、障害者用ということになっているだけです。

普通の駐車区画の6つに、障害者マークがペイントされているだけなので、予備知識がないとどこが障害者用駐車スペースなのか解りません。そういうことなので、停めやすいところ、乗降しやすいところに、お好きに停めてください。

道の駅たばやま

小さな道の駅です。本格的な施設を想像しないでください。このエリアは東京2時間圏で大自然に触れ合える、とても素晴らしい自然ゾーンなのですが、立ち寄るところがあまりないので「道の駅たばやま」は貴重な存在です。

 

どうやって観光拠点として、もう一段盛り上げていくかが難しい。キラーコンテンツになるような産物があればいいのですが、ありません。

 

無いなら作り上げるしかありません。“丹波山の黄金栗”とか、“丹波山巨人豆”とか・・・。大きな潜在マーケットのあるエリアです。目玉産物が出来て、関連商品が開発できれば、きっと強いと思います。頑張りましょう、丹波山村。

道の駅つる(山梨県都留市2017/01)

~観光客頼りではないビジネスを志向、地域農業従事者の所得向上を目的にした道の駅~

 

2016年11月に開業した、出来たてピカピカの道の駅です。

最新施設なので、そもそも段差のない完全バリアフリー設計。

障害者用駐車スペースは屋根無しで、障害者用トイレは一戸だけと、このあたりはコストダウン志向。

建物もローコスト志向がうかがえる設計。

開業直後は大変な混雑だったようですが、現在では落ち着いた状況です。

 

リニアモーターカーの実験施設を公開している「どきどきリニア館」のすぐ近くです。

言い方を変えれば、観光客が来るとすれば「どきどきリニア館」だけが目的のエリア。将来どうなるかは解りませんが、現状の「どきどきリニア館」の集客力だけで、道の駅が潤うほどの来客があるとは思えません。

 

この立地に道の駅が出来ることを聞いて、最初に不安に思ったことは集客です。当然そのことは、道の駅新設にお金を出す人たちもよく解っているはず。どのようにして頑張っているのか。興味の尽きないところです。

 

今回はオフシーズンの休日のお昼の訪問。周囲の畑には雪が積もっています。駐車場には20台程度の車。障害者用駐車スペース2台分は、どちらも空いています。要するにガラガラ。想定通りの状況でした。

 

国道139号線から脇道に入って500mほどの立地。開業からしばらくは、この脇道500mが渋滞していたそうです。ちなみに国道の交差点の名称は「道の駅つる入口」に改称されています。

道の駅つる

施設内に入ります。産直ショップ内にお客さんは20人前後。レジはほぼ稼働せず。それでも販売スタッフさんの元気な呼び声が凄い。レジ横、精肉コーナー、カツサンドコーナー、テイクアウトコーナー、カフェテリアなどのスタッフが、「いらっしゃいませ」「おいしいですよー」とガンガン声を出しています。

 

売り手の勢いとしては、アメ横のような感じです。これは凄い。道の駅で、これほど売り手の気合を感じたことはありません。ただ所詮はガラガラの状況。販売状況としては、この日においては全般的に苦戦しています。

 

確かに冬場で時期は悪い。地場産野菜も品数がそれほどありません。では春になると状況は変わるのか。少なくとも、観光客が通りかかる立地ではありません。

 

ここは大月ICから5kmほどの場所。富士五湖方面に行く客、甲府方面に行く客、いずれも中央高速で通過する場所です。春夏秋は、比較すれば冬場よりも観光客の来場は増えるでしょうが、絶対数はたいしたことはないと思われます。

 

したがって、大月から都留一帯の、地元の人の集客が重要です。地元の人が、日常的にスーパー代わりに買い物に利用する。休日には家族でゆっくり遊べる。そういう道の駅を目指しています。

 

土地も建物も、すべて都留市の負担で建設されました。運営会社は地元企業等からの出資を要請して設立した「(株)せんねんの里つる」。利益を出して株主に配当で返すビジネスモデルです。道の駅の設立目的は「地域農業従事者の所得向上」です。成功を祈らずにはいられません。

 

頼れる観光資源がない“地方”の経済対策として「道の駅」が活用されたケースです。国土交通省もよく解っていて、重点道の駅に指定し、運営ノウハウ支援に乗り出しています。

 

ただどうでしょうか。地元の人の日常を支えるインフラとしても、余暇を楽しむ施設としても、現状では中途半端ではないでしょうか。予算がなく、最低限のハコを造ったという印象です。

 

エリア最先端のバリアフリー施設ではあります。地元の人に愛されて、地元に人が潤う道の駅ビジネスになることをお祈りします。