「連絡帳」でのコミュニケーション

「連絡帳」でのコミュニケーション

重度障害のある人の場合、「連絡帳」は人生そうとうの期間、書かれてしまうことになります。自宅に住み、そこから施設、学校、サークル、ボランティア旅行・・・、どこかに通ったり、行ったりすると、先ず家庭側で「こんな様子です」と書いて、次に出先側で「こんなことをして、こんな様子でした」という家庭への連絡用の記録が書かれてしまいます。本人が全く関知無くても、他者によって記録が積み上げられていきます。

 

直接的な健康面での問題は重要なので、連絡帳には「熱」や「水分補給」「食事の摂取」の他「排泄小」「排泄大」などまでが記録されることが多いです。記録を残しておけば、○年前の○月○日の何時にトイレに行ったが解ります。これって、特殊な人生をおくっていると思いませんか。

「連絡帳」でのコミュニケーション

もちろんメインの記録は、何をしてどうだった、ですから、行動面はより詳細に書かれてしまいます。泣いた笑った、歌った踊った、こんな体操をした、この本を読んだ、このDVDを見た・・・・、何でも記録されます。知的障害があり「悪行」をする人の場合はそれもばっちり記録されます。暴れた、噛んだ、壊した、投げた・・・、言い訳をする機会もなく、問答無用で書かれます。

 

とはいえ連絡帳も、積み重ねていくと障害のある人の人生の記録になります。

 

双方向通信の連絡帳が多いので、家族も自分の感想等を書きます。家族にとっても、あの頃はこういうことを考えていたのか、という自分史になりますね。さらには、一生懸命連絡帳を書いてくれた、その時期にお世話になった人のことが思い出されます。ということで、永年にわたる各種の連絡帳、膨大な量になっても、なかなか捨てられない人が多いのではないでしょうか。

 

この連絡帳の世界は、今でも「紙」への「手書き」が主流です。デジタル化された連絡帳には、まだ出会ったことがありません。きっとまだ当分は、デジタル移行されない希少な分野として残る気がします。障害のある人を抱えながらババッと書くので、そのほうが実用的であり続けるのでしょう。

「連絡帳」でのコミュニケーション

障害のある人に関わる人には必須の「連絡帳」の世界は、こんな感じです。

障害者福祉の現場での活動を目指している方、手書きで、綺麗な字で、短時間で、要点を掴んだ、そんな連絡帳を書く技術が求められます。

しかも書いた連絡帳は、長期間家族によって保管され、場合によっても何度も読み返されます。しっかり練習を積んで、一流の「連絡帳師」を目指しましょう。