障害児の親へのカウンセリングは難しい

障害児の親へのカウンセリングは難しい

あくまで経験上のことですが、障害児の親にカウンセラーがボコボコにされている光景を何度も見たことがあります。

 

毎日が人生の修羅場をくぐっているような親たちです。そういう人へのカウンセリング、半端な人には務まりません。こういうカウンセリングはダメだ、という体験をご紹介します。

 

先ずボコボコになるシチュエーションですが、障害児の親が自分でカウンセリングを求めてきた場合のことは知りません。そうでなく、医療機関、行政機関、学校、施設、社会福祉法人などに何らか関わるときに、最初はカウンセリングから入った方がいいはずだ、ということで望んでもいないのに一対一でカウンセラーがでてくるケースが結構あります。ボコボコになるのはこういう時です。

 

それと福祉団体などが主催の説明会やイベントなどで、一つのプログラムとして講師のカウンセラーが出てきて聞いたような話をするパターン。途中で誰も聞かなくなっています。

 

一対一のカウンセリングの手法はいろいろありますが、原則共通していると思われるのは、最初は相手の悩んでいること、潜在的な意識の状態などを「聞き出す」ことから入ることでしょう。「たいへんですよね。どういうことでお困りですか。」みたいなことを聞かれます。

 

この時、障害者の親はカウンセラーに対して上から目線です。初めて会ったあんたなんかに、なんでそんなことを言わなくちゃいけないの、こっちの方が実践経験豊富よ。だいたいこんな感情をもちます。

 

偏見ですが、一般に障害児の特に母親は、高学歴で社会経験も豊富で気が強いタイプが多勢です。他人に弱みを見せてたまるか、自分の力でやりぬいて見せる、という気合で毎日修羅場をくぐっています。

 

カウンセラーは、チッチャなことでウジウジ悩んでいるタイプを相手にしているような感じで接してはいけません。そういうレベルの悩みや辛さは、とうの昔に振り払っている猛者たちだと思ってください。

 

障害に直接関わる内容で、人生訓的な講演は難しいですね。障害児との生活で修羅場をくぐっている猛者たちは、自分で実体験のない人の座学で学んだ人生訓は嫌います。

 

自分も苦労をした、みたいな話も、こっちの苦労からみたらなんなのそれは、という話だとダメです。親の介護を10年した、くらいでは苦労が足りません。自分の子どもに障害があった、これを上回る苦労話しは、なかなかありません。

 

生まれた子どもがダウン症だった、3歳の子どもが発達障害といわれた、こういう大事件の直後に心が乱れている親へのカウンセリングや人生訓は有効かもしれませんが、キャリアを積んだベテランの親、特に母親は、ここまでやり抜いてきた、というプライドの塊です。

 

良かれと思って半端な企画をすると、ボコボコになります。関係機関の方、ご注意ください。