脳性麻痺の人は、右手と左手を同時に使うことが難しい

脳性麻痺の人は、右手と左手を同時に使うことが難しい

脳性麻痺の人は、右手と左手を同時に使うことが難しい

脳性麻痺とは、脳に障害を負うことによって引き起こされる運動障害の病気です。

 

脳が無傷、という人はどれくらいいるのでしょうか。おそらく、ほとんどの人は何らかの“脳の傷”があり、それによって運動能力が“減点”されているのではないかと思います。運動が出来る人と出来ない人の違いは、“脳の傷”の状況によるのでないでしょうか。

 

子どものころ、クラスに数人は、体が硬くて前屈で手が床に届かない子がいませんでしたか。小学生年代から、普通の子どもが簡単にできる前屈が出来ないような人は、おそらくは脳に障害があり、前屈運動に対する緊張が起こって十分に曲がらないのだと思います。

 

それくらいの障害であれば、“障害児”扱いされることはないでしょうが、子どもの頃から運動が苦手であった人は、自分にはごく軽度の脳障害があると考えるべきでしょう。ただしこの障害を治す薬はないので、いくら自分の脳を深く調査しても治癒はできません。

 

簡単に前屈が出来る子どもにとっては、出来ない子どもが不思議に見えるでしょう。出来ることが当然と思い込んでいることが出来ない、脳性麻痺の人と接していると、そういう事象によく突き当たります。特に体の各部位を連携させる動きは、出来る立場から想像するよりも、はるかに難しい運動であることが解ります。

 

下肢は重度の運動障害がありますが、上肢は比較的軽度の障害の人がいます。訓練の末、右手でスプーンやフォーク、エジソン箸などを使えるようになりました。左手も動かすことは出来て、モノを持つこともできます。

では、左手をお茶碗に添えて、右手でエジソン箸を使えるか、これが出来ません。出来る立場からみると簡単に思えますが、右手と左手を同時に使うことが難しいのです。

 

パズル遊びを想像してください。左手でパズルのピースを掴んで、右手に渡してピースを置く。こういう運動が難しいのです。右手でピースを掴んで右手で置くことはできます。左手でも出来ます。でも左手と右手を連動させて動かすことは出来ません。

 

例えばウォークマンの操作。ウォークマンをテーブルに置いて、右手で押して操作することは出来ます。しかし左手でウォークマンを持って、右手で操作することは出来ません。

 

お風呂で、片手でタオルを持って、片手でボディー―ソープのノズルを押す、こういうことも難しいのです。

 

出来る立場から見ると、とても簡単なことが出来ない。出来ないことによって、日常生活にも支障がある。出来るようになるためには、大変な努力と時間を要する。脳性麻痺の人の絶えない苦労です。

 

更に残酷なことに、出来るようになったことが出来なくなることもある病気です。体重の増加、骨の成長、加齢などが引きがねになり、骨の奇形が進む、関節の動きが悪くなる。その結果、出来ていたことが出来なくなる。そういう可能性がある病気です。

 

でも生ある限り、出来ることを増やしたいですね。今できることに、挑戦している脳性麻痺の人が大勢います。