東京ドームシティ ラクーア(東京都文京区2015/04)

東京ドームシティ ラクーア

~ジェットコースターは完全復活、ラクーア開業後12年のバリアフリー状況を検証します~

 

東京ドームシティ「ラクーア」。アトラクションでの死亡事故を契機に、長期間営業を中止していたジョットコースターは完全復活。現在、全施設が全開で営業中です。

東京ドームシティ ラクーア

昨年、飲食店を中心に大幅な店舗入れ替えを実施し、施設のリフレッシュを図りました。安定した人気があるバリアフリー施設です。車椅子目線でみた、現在の状況をレポートします。

 

ラクーア誕生の頃、立派なバリアフリーな施設ができたことに感動した記憶があります。当時東京ドームはまだまだバリアだらけ。車椅子で東京ドームの入場口にたどり着くのは大変な努力が必要でした。

ドームシティ ラクーア

そういう時代に誕生したラクーア。その後時代は完全バリアフリー設計に進化。現時点でラクーアを利用すると、やや見劣りする点があります。

東京ドームシティ ラクーア

ラクーア内部の問題としては、エレベーター不足による上下階の移動の不便さがあります。

施設メインのエレベーターが3基ありますが、この3基は上層階の温泉施設に行くお客さんでよく行列が出来ます。フィットネスクラブの利用者、レストランフロアの利用者もいます。

混雑時は、専用エレベーターにしたり、誘導スタッフがついたりと、施設側も運営努力をしていますが、車椅子ユーザーにとっては、利用しにくいエレベーターになっています。

もう1系統、高層階に行かないシースルーエレベーターがあります。4Fまでの施設利用なら、このエレベーターの方が利用し易いでしょう。ただし一基だけなので、運が悪いと乗れずに待たされることになります。

ここのエレベーターでの競合者はベビーカーです。ベビーカー客は大勢います。仲良く譲り合って利用しましょう。

ドームシティ ラクーア

もっと本質的な課題として、今にして思うのが、地下鉄とのバリアフリー連携の悪さです。

ラクーアは地下鉄4路線の駅のほとんど真上、あるいは真横にあるのですが、どの駅、どの路線からも、バリアフリーにインドア移動で来ることが出来ません。信じられない連携の悪さです。

都営三田線、都営大江戸線の春日駅、東京メトロ南北線後楽園駅が真下、東京メトロ丸の内線の後楽園駅が真横です。どの駅からも、車椅子でラクーアに行くのに、大変な労力がかかります。

地下と地上を結ぶエレベーターは不便で、更にどうやっても屋外を通るので雨の日は濡れます。せっかくの抜群の立地条件が台無しです。今からやり直すのは大変でしょう。取り返しのつかないミスだと思われます。

東京ドームシティ ラクーア

更に、文京区役所などが入る「文京シビックセンター」が隣接しているのですが、この施設とのバリアフリー連携も全くありません。双方一切口をきかなかったとしか思えない不便さです。

丸ノ内線の後楽園駅との連携の悪さと原因は同じことなのですが、隣接する「メトロエム後楽園」とのバリアフリー連携も全くありません。

東京ドームシティ ラクーア

さすがに隣接する「東京ドーム」には、ラクーア2F部の白山通り側の連絡橋からバリアフリーに行くことができます。

でも油断しないでください。同じ2F部の連絡橋でも、メトロエム後楽園側だと、連絡橋の最後に段差がまっています。ご用心ください。

東京ドームシティ ラクーア

2015年4月の時点で、ラクーアの施設全体のバリアフリー状況を俯瞰すると、当時はまだ自分の施設だけのバリアフリーしか視野がなかったことが解ります。

実際に車椅子の人が、地下鉄に乗ってラクーアにくるシーンまで、設計上の想像が及ばなかったのでしょう。

そんなことはこちらのコストではない、という確信犯だったかもしれません。

東京ドームシティ ラクーア

今から思うとこの規模の施設が出来るのに、交通機関や公共施設とのバリアフリー連携が全くないというのは、信じられない失態です。

これからのバリアフリーは、「点」から「線」や「面」に広げていかなくてはなりません。大いなる失敗例としてラクーアを正しく分析し、教訓を活かしていきましょう。