NPO法人を設立した家族

NPO法人を設立した家族

障害のある人に対して、行政から各種の支援があります。金銭面での助成あるいは減免、通所施設などの拡充、法による施設のバリアフリー化の促進など、十年単位で見た場合、国家全体として福祉的な支援は一歩ずつ進んできていると思います。

それでも当事者にとっては、不満ばかりの日本であるのは間違いがありません。

NPO法人を設立した家族

重度重複障害のある子どもをもつご家族の話です。障害は重く、ほぼ自分で動くことはできない寝たきりの状態です。

栄養は「胃ろう」で、吸引も欠かせません。発語は無く、少し顔の表情が変わることで、周囲の認識が出来ていることが解ります。

 

就学年齢になって、学校は頑張って特別支援学校の通学級に。高レベルの医ケアがあるので、家族も一緒に学校に行きます。この子の放課後の居場所、夏休みなど学校休暇中の居場所が全くないのが家族の不満でした。

NPO法人を設立した家族

学校年代の障害児の場合、放課後デイサービスなどの制度、施設があります。しかし実態的には、知的な障害のある子のための企画である場合がほとんどで、肢体不自由児の居場所はきわめて少ないのが現状です。ましてや、重い医療的ケアが必要な子どもの居場所は、ありません。

 

無いなら自分たちで作ってしまおう、というのがこちらのご家族です。運営母体の一般社団法人を設立。特別支援学校の校舎を放課後借りて事業をスタート。その後、MPO法人に改組。放課後活動の回数を増やしたり、街のお祭りイベントに参加したりと、活動の質、量を拡大しています。

 

一番の共同活動者は、同じく重度重複障害の子どもをもつ、他のご家族です。他にも特別支援学校OBの先生なども、MPO法人化に協力をしています。

 

お役所の行動パターンといってしまえばそれまでですが、新しい取り組みには懐疑的でも、実態のある福祉活動に対しては安心して支援をしてくれます。

今年の放課後活動が10回なら、来年は20回の校舎使用を認めてもらう。活動プログラムの講師を招聘するための費用を助成してもらうなど、年々行政からの支援も拡大しています。

NPO法人を設立した家族

NPO法人の活動をすると、税務申告をはじめ、馬鹿にならない量の様々な事務が発生します。それも皆で頑張ってこなしています。子どもが高校を卒業して、通所施設に通うようになっても、通所施設では本人の成長にプラスになるような活動が十分にはないため、独自の活動を発展、継続する計画です。

 

行動派の家族の事例でした。誰もが出来ることではありませんが、そういうスーパー家族もいる、というご紹介です。