フォレストモール富士川(山梨県富士川町2015/01)

フォレストモール富士川

~各店舗に障害者用駐車スペースがある、最新のバリアフリー商業モール~

フォレストモール富士川

2014年3月開業。大型の商業モールです。各店独立タイプのモールで、核テナントがスーパーオギノ。ドラッグ、100均、飲食店などが並びます。隣接して大型ホームセンターも出店。高速道路の開通とともに、急速に開発が進んでいるエリアです。最新のモールでの、印象に残ったバリアフリーへの取り組みをご紹介します。

 

アクセスは車です。モール敷地内に入ると、複数の障害者用パーキングへの案内板が目に入ります。「右が、真っ直ぐか」と無駄に悩んではいけません。独立一戸建てタイプの各店の脇に、それぞれ障害者用のブルーに色づけされた駐車スペースが配置されています。目的の店舗をめがけて進んでください。各店の出入り口の近くに、障害者用駐車スペースがあります。

 

核テナントのオギノさん店内のバリアフリー状況です。床面は問題なくフラット。通路幅もゆったり設定。基本的に何の問題もありません。障害者用トイレは一つ。新しい店舗のピカピカトイレ。広さ、設備、清潔感、いずれも合格です。

フォレストモール富士川

さて、オギノさんの店内で、今回訪問時に見かけて、改めて考えさせられたのが“試着室”です。こちらのオギノさんは、衣料品も扱っています。その試着室です。

フォレストモール富士川

店内の中央部に試着室が2つ設置されていて、「高齢者・障害者対応」と書かれていますが、車椅子ごと入れるバリアフリー試着室ではありません。床面はフラットではなく、5cm程度上がって靴を脱いで入るタイプ。試着室内部の広さは、通常の試着室よりもやや広い程度で、車椅子が入るほどの広さはありません。

 

目隠しはカーテン開閉方式で、室内にはベンチシートタイプの腰掛があり正面が鏡。試着室内には、各面に手すりがついています。パッと見た瞬間は、「看板に偽りあり、バリアフリーではない試着室だ」と思いましたが、実際に試着をする状況を想像すると、このほうがいいのかな、と思えてきました。

 

考えて見ると、車椅子から全く降りることも出来ないレベルの重度身体障害の人が、スーパーの衣料品売り場で試着をすることはほぼ無いでしょう。また試着をしたい衣料品は主にズボンやスカート。下半身を脱ぎ着する人が多いでしょう。そうすると車椅子がそのまま入る土足ゾーンよりも、土足禁止ゾーンのほうが快適なはず。

 

利用者のイメージは、車椅子やクラッチを使用していても、靴を脱いで、つかまり立ちで試着室の中に入れる。手すりを使ってズボンの試着が出来る。こういう人でしょう。そうであれば、土足禁止でベンチシートがあり、手の届く範囲に手すりが配置されている広さの試着室。このタイプが便利に使えそうです。まさに「高齢者・障害者対応」です。またこのタイプなら、健常の人の利用も問題はありません。

 

障害は一人一人違い、望まれるバリアフリーのあり方も変わります。スーパーの衣料品売り場で試着をする身体障害のある人。その人たちに特化したバリアフリー試着室です。

 

これが障害者用に特化した、特殊デザインの衣服を販売するお店の試着室なら、求められる試着室の在り方は変わります。大型の車椅子で入れて、寝転んで試着が出来るようなニーズでしょう。バリアフリーの在り方は、画一的ではありません。

 

それでも、段差が無い、通路が広い、これらのことは万人の共通ニーズです。新しい施設はそういうことはしっかりできています。これからは共通ニーズに基づくバリアフリーは当たり前で、そこにどれだけその施設、売り場の利用者のニーズに特化したバリアフリーが乗せられるかが、勝負処になりそうです。最新の施設に行くと、一歩先を考えさせられます。