浜離宮恩賜庭園(東京都中央区2015/05)

~車椅子での散策には根性が要ります、三百年の松が出迎えてくれる徳川将軍家の庭園~

 

久しぶりの訪問ですが、大変な賑わいでした。たまたま「無料公開日」だったからでしょうか。入園料は300円なので、それだけが賑わいの原因でもないでしょう。

 

海外からのお客さんが目立ちました。いつの間にか、東京観光の定番スポットになったのかもしれません。砂利とオフロードと小さな段差が連続して続く庭園です。車椅子での散策には、絶対にあきらめない強い気持ちが必要です。

 

身体障害者だけが利用できる駐車場があります。こんなところを車で入っていいのか、という雰囲気の庭園入り口から入ってください。

ほどなくスタッフがいるので、身体障害者手帳を提示します。庭園の入口近くが駐車スペースになっていて、5~6台は駐車可能です。スタッフが誘導するので進んで下さい。駐車後に、指定の用紙に住所氏名を書くと、駐車許可書が渡されます。駐車時はフロントに許可書を掲示し、お帰り時には許可書を返すシステムです。

 

園内に入ると受付があります。今回訪問日は無料開放日でしたが、通常は入園料が各種の障害者手帳の提示で、本人と介助者1名が無料に減免になります。

 

早速砂利道との格闘が始まります。砂利が車椅子に食いつきます。根性を入れて進みましょう。パンフレットに「車椅子通行可ルート」が載っていますが、あくまで“根性を入れれば”通行可能なルート。辛いルートですが、庭園内をほぼ一周できます。

浜離宮恩賜庭園

入口近くの観光ポイントが「三百年の松」。威風堂々たる巨大な松の木です。外人観光客にとっては、日本を感じる光景でしょう。皆さん松をバックに記念撮影です。訪問時はちょうど団体観光客がかぶっていて、あまりの人で写真撮影のスポットを確保するのにたいへんな状況でした。

これだけの迫力のある松は、他にない。まだ見たことが無い人は、ぜひご覧ください。あまり根性がない車椅子ユーザーでも、せめてここまでなら気合で来られると思います。

 

「潮入の池」と呼ばれる、海水を引き入れた池があります。潮の干潮によって池の様相をかえる趣向。干満によって水門を開閉するのですが、この水門の近くに、ボラなどの魚がウジャウジャいます。東京湾の豊かさを感じる光景です。池の中にこのままいるのが幸せか、海に戻るのが幸せか、ボラも悩みどころでしょう。

 

残念ながら庭園内全般に、“手が回っていない”印象を受けました。あまり予算が無いのでしょうか。植栽の手入れ、お庭や通路の清掃、施設の細かいメンテナンスなどが、なっていません。もちろん“荒れ放題”のようなひどい状態ではありませんが、行き届いた状態ではありません。

 

トイレも同様です。園内に5か所一戸建て方式のトイレがあり、内3カ所に障害者用トイレが併設されていますが、いずれもあまり使用したくないレベルのトイレでした。内一つのトイレは老朽化のためか使用禁止になっています。国際観光都市の人気庭園です。入園料を値上げしてでも、もうひとつ管理のレベルを上げたいところです。

 

車椅子目線で見た場合、江戸の庭園ですから、基本がバリアフリーではないのはしかたがありません。しかし、車椅子通行可能ルートを示す園内表示などが、全くないのはどうかと思います。「この先車椅子は通行できません」というレベルの案内くらい、通路に設置してはどうでしょう。どうせなら外国人の人でも理解できるように、英語表記や絵での案内表示のほうがベターだと思います。

 

「鴨場」という施設が残っています。引き堀にカモを呼び寄せて狩りをしていた施設。日本人でも何の施設かほとんどの人が解らないのですから、外国人にはなおさらです。スマートフォンをかざすと、母国語での解説が見えるなどのIT対応が進むといいですね。そういう工夫も2020年に向けて進めたい課題です。

 

都心のオアシス、貴重な文化財で、かつ有望な観光資源。オリジナルの良さを残したままで、バリアフリー化、IT化、施設の更新を進めたい庭園です。

 

案外、東京の人で行かれたことが無い人が多いのではないでしょうか。ぜひ一度、時間を使ってお出かけください。

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