北関東自動車道笠間PA(茨城県笠間市2015/06)

 

~東西両線共用利用でセルフ式ガソリンスタンドがある、合理性を追求したPA~

 

近年、高速道路のSA、PAがリニューアルされ、商売っ気を前面に出した商業施設へと変わってきています。

各地の名物、名産品を押し出したり、星の王子様や鬼平犯科帳など、独自のテーマを設定したりと、需要を喚起し、マーケットを創造する取り組みが盛んです。

そんなブームの中、設備投資を効率よく実施して、小さいながらも上手な商売をしているのが、この笠間パーキングエリアです。

 

笠間PAは、北関東自動車道の開通に伴い、2008年にトイレと自動販売機しかない状態で開業しました。おそらく開業前には、どれくらいの利用者がいるのか、見当がつかない状況であったと思われます。

 

これは想像ですが、北関東自動車道開通後、1年間くらいマーケティング調査が行われ、PAとしての事業計画が決められたのではないかと推察します。2010年に、商業施設「KASAMA TERRACE(笠間テラス)と、ガソリンスタンドが開業し、現在のPAの形になりました。

笠間PA

笠間PAは、とても合理的な設計がされていると感心します。北関東自動車道は、東西に伸びて走っているので「東行」「西行」という呼び方がされます。このPAはコンパクトながら「東行」「西行」の共用PA。高速道路の初期設計段階から合理的に考えられたPAです。「東行」「西行」それぞれ独立型のPAであったなら、投資回収の観点から、今の規模の商業施設は難しかったでしょう。

 

「KASAMA TERRACE」は、規模は小さい商業施設ですが、喫茶、食事、お土産、と一通りのことは出来る総合的なサービス施設です。笠間ですから、「笠間焼」の商品も売っています。パーキングエリアですから、もちろんバリアフリー。2010年の施設ですから、まだトイレもピカピカです。

 

今回訪問したのは休日の夕方、「東行」「西行」とも、駐車場が60%から70%埋まっているくらいの状況です。それで「KASAMA TERRACE」内は、ほどよい混雑具合。商売が成り立ちそうな売れ方で、かつ車椅子での店内回遊もそれほど苦戦せずに出来る、そんな状況でした。

「東行」「西行」とも満車で溢れることはあるのでしょうか。そこまで混みあうと、施設的に手狭になると思われます。

笠間PA

笠間PAは、パーキングエリアですがガソリンスタンドがあります。それもセルフ式。高速道路のセルフ式スタンドはまだ珍しい存在です。

 

調べると、高速道路第一号のセルフ式スタンドは、2003年に長野県にある中央自動車道の阿智パーキングエリアの上り線に出来たそうです。その後は新東名など、新しく出来た道路ではセルフ式スタンドが誕生していますが、既存のSAのガソリンスタンドが、セルフ式にリニューアルされたのを私はみたことがありません。きっと高速道路特有の事情があるのでしょう。

 

想像するに、リニューアル工事期間中の休業が許されないのが、一番大きな壁なのではないでしょうか。利用者側からみれば、ガソリンスタンドがサービスリアにしかない状況よりも、パーキングエリアにも増える方が便利ですし、セルフ式で少しでもガソリン価格が安くなればそのほうがいいです。

 

もっと突き詰めれば、一般道との共用が可能なガソリンスタンドができれば、更に合理的。一般道と高速道路共用のセルフ式ガソリンスタンド。おそらく未だないと思われます。成立する立地も極めて限定的でしょうが、そのうちに圏央道あたりで出来るかもしれません。

 

高速道路には、質の高い商業施設付きのPAやガソリンスタンドが、数多くあるほうが利用者の利便性は高まります。一方、採算がとれる売上が見込めないと、施設は造れません。笠間PAは、合理的な設計で投資回収の実現を目指す興味深いPAだと思います。

 

そのうちに設備が拡張されたりすれば、儲かっている証拠です。よい施設が数多くでいるように、無理のない範囲で、お金をつかってあげましょう。