騒いでしまうと肩身が狭い場所

騒いでしまうと肩身が狭い場所

騒いでしまうと肩身が狭い場所

知的な障害のある人と外出して「いたたまれない」経験をしたことがある人、大勢いると思います。

 

騒ぐ、走る、突飛な動きをする。よく赤ちゃんを連れで泣かれて「いたたまれない」人、いますよね。あれのパワーアップ版だと思ってください。不快で嫌がる場合だけではなく、嬉しくて騒いでしまうことがあります。困った、という経験をご紹介させていただきます。

 

公共の交通機関は鬼門です。一般の普通電車などは、最悪次の駅で降りてしまう手がありますが、新幹線など全席指定の特急電車はキツイですね。車椅子利用だと、電車内の移動も狭くてままなりません。気を紛らわす術が少ないので、なんとかおとなしくするように頑張ります。

 

船もキツイです。バリアフリー度も一般に低いので、移動も障害が多い。フェリーなどで短時間乗船の予定なら、最初からデッキにいるほうが気は楽かもしれません。だいたい風に当たっていると、ご機嫌なタイプの人が多いとおもいます。船中一泊のような船旅をする場合は、個室をとるしかないでしょう。

 

経験上、もっともキツイ乗り物は、飛行機です。狭い座席にずっと座っていて、厭きる。でも逃げ場は全くありません。赤の他人がすぐそばに座って寝ています。これは困りますね。お話をする、唄を歌う、お菓子を食べさせる、あらゆる手段を用いて、騒ぎを抑えるしかありません。「もう二度と飛行機には乗らない」そういう決心をした家族が大勢いるはずです。

 

嬉しくて騒いでしまうパターンです。

映画、演劇、コンサート、各種のアトラクションなど、そもそも静かに見るようなプログラムは最初から避けます。

 

これなら何とかなるかな、大丈夫だろう、と思えるプログラムに挑戦します。例えば、ドラえもんが好き、ミッキーマウスが好き、などの人の場合、そういう映画やアトラクションなら、ちょっとくらい騒いでもいい感じがしますよね。この判断が甘いのです。

 

障害のある人と一緒に行くようになって初めて気が付いたのですが、世の中にある大概の明るい娯楽系プログラムも、全編にわたって賑やかなものはほぼなく、必ずどこかに静かなシーンがあります。そういう意識がないと記憶に残らないのですが、いつ騒ぐが、という危機感をもってみていると、静かにしているべき時間の長さに驚きます。ここで騒いでしまうと「いたたまれず」退場します。

 

デパ地下、スーパーなども鬼門です。食に対する興味が旺盛な人は要注意です。声だけではなく、おいしそうな商品につい手が出てしまう人もいます。触ると取り返しがつかない食品の売り場は、細心の注意を払います。売り場が混んでいるときは、突飛な動きによる他の人への迷惑にも気をつけます。

 

そんなにたいへんなら出かけなければいい、となりますが、家と空いている公園くらいしか居場所が無いのも淋しいものです。世間から刺激を受けて、社会的な経験を積むことも大切。場合によってはちょっとご迷惑をかけるかもしれませんが、当事者たちも十分に肩身の狭い思いをしています。多少のことはご理解の上、ご容赦ください。