旧芝離宮恩賜庭園(東京都港区2015/05)

旧芝離宮恩賜庭園

~車椅子通行でも疲れないジャストサイズ、モノレールをバックにみる都市型大名庭園~

 

歴史をみると17世紀後半から開発されてきた庭園です。時の老中大久保忠朝が庭の創始者で、その後持ち主が幾人も変わりながら、徐々に大名庭園としての完成度を上げていきました。

 

19世紀後半に宮内庁の所有になり「芝離宮」と命名。関東大震災で建物と樹木のほとんどを焼失。その後東京市に下賜されて再整備が行われ、現在の名称「旧芝離宮恩賜庭園」となりました。

 

浜松町駅から至近。あまりに近すぎて、逆に足を踏み入れたことのない人も多いのではないでしょうか。

 

駐車場は全くありません。入園料はなんと150円。各種障害者手帳の提示で本人と介助者1名が無料に減免されます。

旧芝離宮恩賜庭園

スタスタ歩けば一周5分くらいの小さな庭園です。大名庭園ですから当然基本がバリアフリーではありません。それでもこのサイズなので、車椅子でもそれほど疲れずに園内一周ができます。

 

砂利道でオフロード。車椅子にはキツイ路面です。パンフレットには車椅子通行可能ルートとして一周可能な案内が載っていますが、あくまで決定的な段差がないというレベルで、快適なバリアフリールートではありません。頑張れば車椅子でも一周でき、ほぼ庭園の全景を鑑賞することが出きます。

 

園内の見どころは“石組み”です。池の周囲を中心に、様々な“石組み”があります。車椅子の場合、残念ながら外周通路からの鑑賞になりますが、それでもほぼすべてを見ることは出来ます。

 

「西湖の堤」は中国杭州の西湖の堤を模したもの。「中島の石組み」は、中国の仙人が住む霊山を模したもの。「根府川山の石組み」は小田原から運ばれた巨石を配したもの。などなどです。

残念ながら現地現場にはそういう“解説”がないので、パンフレトなどを読みながら、あれがそうか、と考えながらご覧下さい。ボーっと見るのと、考えて見るのでは、感銘の度合いが違う石組みです。

 

ここの名勝の一つが「藤棚」です。立派な藤棚が入口の近くにあります。今回藤棚を楽しみにゴールデンウィークの後半にお出かけしましたが、残念ながらピークは過ぎていました。よく情報を確認するとゴールデンウィーク前半が満開だったようです。藤の花のピークは短いのですね。残念でした。

 

庭園の池は、かつては海水を取り入れた「潮入の池」であったそうです。現在は海が遠くなって淡水の池。もともとはここ自体も海で、17世紀の中ごろに埋め立てられたようです。浜松町は、17世紀は海だった。往時の風景をイメージしましょう。

 

この庭園の楽しみ方としてお薦めなのは、周囲の都市構造物との比較です。少し目線を上げると、大名庭園のすぐ横をモノレールが走っています。貿易センタービルがそびえ立ち、新しいビジネスビルなどの近代的な施設が周囲を取り囲みます。

 

17世紀と21世紀が融合した光景です。小さな庭園であるだけに、周囲の現代の風景が近くに感じます。こういう風景の庭園は他にないでしょう。小石川後楽園は、ここのような周囲の見え方はしません。浜離宮も違いますね。ましてや京都の庭園などは、違います。江戸と東京が重なり合う風景をご堪能ください。

旧芝離宮恩賜庭園

トイレは園内に一つあり障害者用トイレも併設されています。しかし、まさに公園のトイレのレベルです。貿易センタービルなど、近隣の商業施設のトイレをご利用することをお薦めします。

 

庭園敷地内に「弓道場」があります。大名庭園と弓道、雰囲気がぴったり合う組み合わせ。今回訪問時は、お一人の方が利用していました。なんと、1時間140円で、個人利用できるそうです。弓道が出来る方、ご利用ください。