村内美術館(東京都八王子市2016/07)

村内家具

~落ち着いた空間の中を車椅子でゆっくり鑑賞できます、家具と絵画の美術館~

 

「家具の村内八王子」の村内ファニチャー八王子本店内にある美術館。2013年にリニューアル。車椅子でゆっくり鑑賞できるバリアフリー美術館です。

 

障害者手帳の提示で、入館料は本人のみ無料に減免。駐車場は家具店と共用でもちろん無料。地下駐車場もあり。美術館横のトイレには障害者用はありませんが、家具店には、ウシュレット無しの障害者用トイレが2カ所あります。

村内美術館

美術館のフロアへは家具店内のエレベーターで。エレベーターを降りると、ホールがあり車が2台展示。「BMWイセッタ」と「メッサーシュミット」という1950年代の車です。

 

ホール左手には休憩室があり、名称は「国広富之氏の部屋」。氏の絵画作品が多数展示されています。ここまでは無料エリア。車椅子での利用に問題はありません。

 

さて、美術館に向かいます。入口に受付で障害者手帳を提示して入館。そうすると無料になります。

悩ましいのは、有料で入館した人にだけ、展示作品を収録した冊子がいただけること。冊子は有料入館者だけに提供。

このルールは厳格に運用されているようです。ちなみに入館料は500円です。

 

ワンフロアを7つの展示室に区切った美術館です。最初の展示室は「椅子の森」。20世紀冒頭のマッキントッシュの椅子など、デザインチェアが主役の展示室です。

椅子のデザインと共通するテーマの絵画も展示。「家具と絵画のコラボレーション」がコンセプトです。

 

第二展示室は「椅子の花園」。サーリネンのチューリップチェアなど、20世紀中ごろのデザインチェアを中心とした、家具と絵画の展示です。異色なのは「柏戸椅子」。横綱柏戸に贈られた、1961年に製作された、巨木をくりぬいたような椅子です。ここまでの2室に展示されているデザインチェアは、残念ながら“お座り禁止”です。見るだけで我慢しましょう。

 

第三展示室は「花鳥風月」。サブテーマは「日本の雅 西洋の華麗」。展示室の左側は畳の上に日本の婚礼家具など、右側はフローリングの上にイタリア製のソファセット他。そしてそれぞれの世界観にあった絵画が展示されています。類のない不思議な空間です。ここまでは、どちらかと言えば家具が主役の展示室です。

 

第四展示室以後は、絵画が主役の展示になります。第四展示室はミレーやコローなどの「バルビゾン派」の展示。

第五展示室はルノワール他の「印象派」と智内兄助や田淵隆三などの「現代日本の画家」の展示。

第六展示室は「ヴェネツィア」をテーマにした展示。

最後の第七展示室はフランスと日本の画家たちの展示。東郷青児の作品もあります。

 

第四展示室から第七展示室に置かれている椅子は“お座り可”です。展示作品ではないものの、いずれもそれなりの品格があるソファなど。車椅子から移動できる人は、ぜひ座り心地を確かめてください。

 

今回訪問したのは、休日のお昼頃。入館者は他にはいません。貸し切りで「家具と絵画のコラボレーション」楽しめました。贅沢なことです。

 

展示されている他の逸品を少しご紹介すると、タンバリンの底に描かれたマネの「スペインの舞踏家」。マナブ間部の「巨人」。エミール・ガレの器もあります。いずれも村内家具の創業者が蒐集したもの。コレクションの方向性が多様で、面白いですね。

 

バリアフリーで車椅子での利用に問題のない美術館ですが、村内ファニチャー八王子本店の本館は、基本が段差構造の建物。3棟を階段で巡るように意図された設計です。

 

そのため、建物中央に「バリアフリーエレベーター」と称される、全階停止するエレベーターが後付され、車椅子でも全館なんとか移動できるように改良されています。美術館に行くエレベーターは一系統だけ。店内の構造案内図が各所に掲示されていますが、解り難い場合はスタッフに聞いてください。丁寧に案内をしていただけます。

 

穴場の美術館です。障害者用駐車区画が用意された新館の地下駐車場を利用すれば、雨の日でも全く濡れずにお出かけ出来ます。

 

「家具と絵画のコラボレーション」に興味が持てた方は、ぜひ車椅子でお出かけください。