障害のある人と音楽

障害のある人と音楽

障害のある人と音楽

聴覚障害の方は別にして、多種多様な障害のある人にとって、音楽は重要な人生のパートナーであることが多いようです。

 

植物状態の重症者でも、実は聞こえているケースがあるといいます。人生の最後を迎えるとき、最後まで残っている感覚は聴覚だという説もあります。

 

世界中の民族が音楽を愛しています。音楽は人間の根源に働きかける力があるのでしょう。

 

生まれつきの障害がある、それも重度の障害のある方で、音楽が大好きな方を大勢知っています。

 

楽しみ方は人それぞれです。じっと静かに聞いている人、音楽に合わせて動かせる部位で踊る人、声を出して一緒に歌う人。通常はコミュニケーションがうまく出来ないレベルの重度障害の方でも、音楽を楽しんでいることがよくわかる方が大勢います。

 

実際、障害児に対する教育療育の活動の中でも、音楽は重要な役割を果たしています。音楽活動を取り入れていない特別支援学校は、おそらくないでしょう。通所施設、入所施設の活動でも、音楽活動は積極的に行われています。

 

ただちょっと気になるのは、こういう教育療育の活動の中で採用される音楽は、いかにもそういう感じの音楽とでも言いましょうか、簡単で、解り易くて、障害児・者でも親しみやすいと健常者側が勝手に想像する音楽、悪い言い方をすると音楽的にはレベルの低いものが多いように感じます。

 

極端な例ですが、老人福祉施設で「むすんでひらいて」をやったりしても、まともな老人が楽しいわけがありません。それと同じような思い込みによる勘違いが、教育療育の現場にはあります。

 

音楽を提供する健常者側からみると、障害のある人を子ども扱いしたくなるのも解らなくもありませんが、10歳、15歳、20歳、30歳・・・と、障害のある人も解りにくいですが、年齢とともに精神は成長しています。いくつになっても、幼稚園レベルの音楽で「楽しいでしょう」というのは間違いです。残念ながら、福祉の現場にはこういう勘違いをしている先生やスタッフが、確かにいます。

 

むしろ積極的に、一流の音楽、多彩なジャンルの音楽に接する機会をつくってあげるべき。クラシック、ロック、ジャズ・・・、演歌や民謡が好きな障害のある子も知っています。

 

生の演奏に触れる機会もあるといいですね。音楽は教育療育の方法としても効果的ですし、日常の生活を豊かにする糧でもあります。

 

自分から働きかけや表現が上手にできない人にも、一流の音楽、多彩な音楽に触れる機会をつくってあげましょう。