知的な障害のある人、絵を描く

知的な障害のある人、絵を描く

知的な障害のある人、絵を描く

図画工作が大好きな障害のある人、大勢います。

 

そんな活動をしている社会福祉法人の教室によく出入りをしています。原則月に一回、約3時間コースの教室です。自由に活動できる部屋が用意されていて、クレヨン、マジック、大小各種の画用紙などが用意されています。

 

途中に3時のお茶タイムあり。最後には一人一人の作品の発表会が行われます。一人で来る人、ヘルパーさんと来る人、家族と来る人、様々です。そこにいる人のことを紹介させていただきます。

 

毎回「雨」がテーマのAさん。30代後半くらいの男性です。

カラーマジックで雨粒を表現した点を沢山描きます。お教室の製作時間中、2時間以上、集中して点を描きます。よそ見もおしゃべりもなしです。終わり、となっても、中途半端な状態では止めません。一枚を描ききるまで、人の発表を聞かずに描きつづけます。

毎回、大判サイズの画用紙なら、5~6枚くらい、雨粒だらけの作品を仕上げます。ただし、発表は苦手です。前にでても「アメ」とひとこと言って、立っていることが多いです。

 

独特の抽象風景画を描くBさん。40代くらいの女性です。知的障害の人の絵画展などでよく見るような、独特のセンスの絵を描く人です。

一般にイメージする障害者的な絵を描くという意味では、このお教室の中で、一番上手な人でしょう。描いているときは、ピリピリと集中しています。

一度、隣にいた知的障害のある人が作業台のテーブルクロスを引っ張って、描いている画用紙が動いてしまったとき、ヒステリックに怒り出したのをみたことがあります。日常的にも、他者とのコミュニケーションは苦手な雰囲気です。そういう面も、健常者がイメージする絵の好きな障害者のステレオタイプに近い人ですね。

 

さて、毎回教室の発表会で「トリ」を務めるのが恒例になっているCさん。30歳くらいの男性。一人で自転車に乗ってくることができるレベルの人です。

Cさんの絵は、絵と文書で構成されます。非常に細かいタッチの絵に、これまた大変小さな字をびっしりと書きます。他人が読める字です。文章もよく読むと、おおよその意味は解るレベルです。

例えばある日の作品です。星と宇宙をイメージした絵と、タイムマシンをイメージした絵、それに文章がびっしり。発表会での本人の解説を要約すると、2030年にはタイムマシンがあり、それに乗って知的障害者も自由に時間と空間を移動できるようになって・・・・。そういうことを絵と文章で表現しました。

Cさん、発表の時間以外は一切しゃべりませんが、発表の自分の番になると、エンドレスのマシンガントークになります。毎回「トリ」なのは、時間だからおしまい、といしない限り、発表が終わらないからです。

ただし、時間不足や、自分なりに納得する作品が出来なかった時は、発表を拒否します。コダワリのCさんです。

 

製作態度、作風も皆さんそれぞれです。絵を描くことが好きな人、自分のやりたい芸術を、どうぞ楽しんでください。