道の駅サシバの里いちかい(栃木県市貝町2015/01)

サシバの里いちかい

~2014年4月開業の道の駅にみる、最新のバリアフリー設計~

 

2015年1月時点では、まだほとんどのカーナビでは対応できていません。HPでも、カーナビの設定方法が案内されています。新しい施設にみる最新のバリアフリー事情をご紹介します。

 

「サシバ」とは、絶滅が危惧されている猛禽類の鳥。道の駅のキャラクターは「サシバのサッちゃん」。その子供風のキャラクターが「イッちゃん」と「カイちゃん」。直球勝負です。

 

敷地面積は広いのですが、施設の建築面積はそれほど大きくはありません。道の駅としては、中規模クラスです。

 

メインは産直ショップ棟。その両脇にアイス屋さんとお惣菜屋さんが入っている棟と、軽食販売やアクセサリー販売などがある棟が並びます。

少し離れた場所に、「地域情報館」という名称の催事ができる別棟があります。以上の4棟構成です。

 

トイレは一戸建て方式が駐車場脇に一棟。屋内には、アイス屋さんとお惣菜屋さんが入っている棟に、通常のトイレがありますが、残念ながら障害者用トイレはありません。

サシバの里いちかい

さすがに最新のバリアフリー設計です。駐車場から屋内施設に至るまでに、段差やスロープが全くありません。

これです。駐車場から歩道は一段高い、店舗は歩道よりも更に一段高い、という従来の常識は覆されました。すべて、フラットです。

こうなってしまうと、過去の段差の常識が何であったのか、不思議なくらいです。フラット構造で、何の問題もありません。施設というものは段差がある、その段差にスロープを用意するのがバリアフリー、という古い考え方は捨てましょう。

2012年頃より、こういう完全バリアフリー設計の施設が登場してきました。これからはこれが主流です。未だ体験したことのない方は、ぜひ見学に来てください。

 

駐車場です。障害者用駐車スペースは3台分用意されています。場所はトイレの側で、他の一般車の駐車場とは完全に分かれた専用駐車区域方式。この専用区域方式も、最近の流行です。健常者の“出来心駐車”を、心理的に圧迫する意図もあるのでしょう。ただ今回の訪問時も、平気で駐車している元気者はいました。

この3台分が満車になった場合の、“二の手”の駐車スペースはありません。一般駐車場の通路のスペースを「障害者優先ゾーン」にするなどの新規施策を、これからは導入するべきでしょう。

 

トイレです。一戸建て方式のトイレに、障害者用トイレが2つ併設されています。2つというのが、さすがに新しい。オストメイト対応はそのうちの1カ所だけ。このあたり少しコストカットの匂いがするトイレです。でも新しいので設備はよく、広さも十分で、清潔感もあります。

 

残念なのは、施設の屋内トイレに、障害者用を併設しなかったこと。冬場や夏場など、体調管理に気を使う障害のある人にとっては、屋内トイレがありがたい。この点もコストカットの匂いがします。

 

施設各棟とも、基本はバリアフリーなので車椅子の利用に問題はありません。ただ一棟単位でみると、屋内はそれほど広くはありません。よって車椅子でゆうゆうと回遊できるほどのゆとりは、ありません。

 

せっかく敷地は広いのですが、建坪を絞った設計。初期投資金額の限界があったのでしょうが、これは部外者が勝手なことを言う筋合いではない話。農産業が盛んなエリアです。各店舗では、市貝の豊かな恵みが売られています。

 

自治体と地元の人たちが、力を併せて頑張って造った新しい道の駅だと思います。このエリアは道の駅激戦区。先行している同業施設を十分に研究して、設計された施設でしょう。

 

勝手な想像ですが、もう少し資金的な余裕があったら、こんな風にしたかった、という思いが関係者にはあるのではないでしょうか。これだけの施設を新設するだけでも、資金手当てや関係者の利害調整は、大変だったはず。

 

後発である「サシバの里いちかい」の最大の有利性がバリアフリー。明らかに近隣の競合施設に比べてバリアフリーです。市貝の関係者の皆様、自信をもって施設のバリアフリーを前面に出して、PRをしてください。

 

完全バリアフリー設計の道の駅は、本当にまだ数えるほどしかありませんから。