成年後見制度を活用する

成年後見制度を活用する

成年後見制度を活用する

重度の障害、特に知的な面で重い障害がある子どものいる家族にとって、自分達の「老い」が深刻な将来への不安になります。自分たちが死んだらこの子はどうなる、という悩み。成人になっている重度障害の子どもに、成年後見人をつける、という選択をする家族がいます。

 

成年後見制度の制度内容の詳述は避けます。ザクッといって、本人の替わりに財産処分などの重要な意思決定をする人を決めておく制度です。

 

制度が導入されて以来、毎年1万人ほど制度利用者が増加しています。利用者の多数はお年寄り。自分がボケたら、ということでボケる前に自ら制度を活用する、そんな積極派の人もいるようです。

 

成年後見人は、普通の成人なら誰でもなれます。昔は親戚縁者が圧倒的多数でしたが、最近は過半数が親族以外の第三者へと変わりました。

 

司法書士など「専門職後見人」といわれるプロもいます。報酬は家庭裁判所の認定というハードルが設定されていて、だいたい月額2万から3万円で、後見人を請け負ってくれるようです。

 

近年の傾向を見ていると、むしろ親族に不当に財産を搾取されないように、成年後見制度を活用している人が多いように見えます。

 

さて、重度の子どもをもつ、老いた家族の話に戻ります。

 

安心してその子を任せられる親族がいる場合は、自分たちの死期が迫るまで、おそらくは制度を活用せずに、いざとなったらこの子を頼むよ、ということで済ませている人が多いと推測します。死後に後見人になってもらうことを遺言で用意しておく、という作戦もあります。

 

ところがほとんどの場合、全てを満たした最適な親族はいません。人材としてはいたとしても「この子の面倒を一生お兄ちゃんに看てもらっては、お兄ちゃんがかわいそう」という感覚になります。そこで、本人の障害者手当などの収入管理、将来の自分たちからの相続遺産管理などを目的に、障害のある子どもに専門職後見人をつける場合があります。

 

最初の子どもに重度障害があった場合、その子にかかりきりで第二子がいない家族が多いと思います。重度障害の人は、おそらく一人っ子比率が高いはずです。そうなると親族には頼む人がいないケースがほとんどです。成年後見制度で専門職後見人をつけるという選択、今後も増加すると思います。

 

実際に活用した人の話だと、後見人申請などの事務は簡単ですが、その後の生活は思ったより面倒が多いそうです。

 

銀行の通帳、印鑑、キャッシュカードも後見人が管理するので、本人名義の口座からちょっとお金を引き出すにも、後見人のいる事務所に行って、書類を書いて・・・、となるそうです。言われてみればそういう制度なので当たり前ですが、実際には不便だそうですよ。メリット、デメリットをしっかり判断することが重要です。

 

成年後見制度の活用は、重度障害のある人がいる家族にとって、充分に検討に値するテーマです。