車椅子とセルフサービスの飲食店

高速道路のSA、ショッピングセンターのフードコート、トッピングを選ぶうどん屋さんなど、セルフサービスの飲食店、たくさんありますよね。実は車椅子ユーザーにとって、セルフサービスはなかなかの鬼門です。

 

まず、高さがあいません。受け渡しカウンター、お茶やお水を汲むマシーンなど、立っている大人の高さ基準です。

 

そして商品の持ち歩き。車椅子にテーブルをつけていないと、片手でトレー、片手で車椅子自走という曲芸になります。ラーメンなど運ぶと、昔のコントの一場面のようになってしまいます。

 

そしてほぼ例外なく、客導線も車椅子への配慮がありません。一列に並ぶようにラインが張ってある場合、列の横幅は狭く車椅子は入りません。座席への移動線もぐちゃぐちゃなところがほとんどです。限られたスペースに可能な限りのテーブルと椅子を配置するので、車椅子でススッと店内を自由に回れるセルフサービス店は無いですね。

 

近年は一番端っこの通路際に「車椅子用席」というスペースを用意してくれている店もあります。そうなのです。例えば混雑している広いフードコートをイメージしてください。真ん中の当たりに空席があっても、そこまでの通路が確保できないので、車椅子ではたどり着けません。端っこの席が空いている場合のみ、利用できるのです。

 

近年は本当にハード面でのバリアフリー化は進んだと思います。新しくできるショッピングモールや建て直されたサービスエリアなど、バリアフリーの権化のような設計です。車椅子族としては、たいへんありがたいと感謝しています。そのなかで、最後に残されたバリアゾーンがセルフサービスの飲食店です。ここは知恵の出しどころです。

車椅子とセルフサービスの飲食店

空いている場合は、なんとかなります。お店のスタッフも余裕があれば手伝ってくれます。問題は混雑時です。そしてセルフサービス飲食店を利用したいときは、たいてい混雑時です。

 

混雑時の最初の戦いは席取合戦です。この対策は、通路際のアクセス可能な席に「車椅子優先席」を積極的に導入することでしょう。あくまで「優先」で「専用」にする必要はありません。満席の時は、空くまで待ちましょう。それはしょうがないと思います。ただ落ちついて待てるスペースが欲しいですね。物理的なスペースとして、車椅子ウエィティングスペースは欲しいと思います。そこに待たれると、今座っている人も早めに移動してくれるでしょうし。

 

お店の前のスペースは、車椅子を意識した幅をとってもらえれば大丈夫です。ほとんどのお店はそれだけで使えるようになります。カウンターは、できれば一部分低い箇所を造っていただきたいですね。子ども用にもなります。

 

そして車椅子の横幅よりも少し長いくらいの「ワイドトレー」を用意していただくのはどうでしょうか。車椅子の形状にもよりますが、肘掛けが付いているタイプならそこに乗せてしまいます。介助者が押す場合も、トレーは車椅子に乗せて、車椅子の人はそれを押さえて、介助者は両手で車椅子を押すことができます。「ワイドトレー」は車椅子専用ではなく、3人前を運ぶなどの大物買いの人も便利でしょう。

 

そのうちどこかに、バリアフリー自慢のセルフサービス飲食店ができるでしょう。見逃さないよう情報収集に努めます。