障害と仕事 ~事業者向けの助成金制度~

 

障害者雇用の義務化など、障害のある人の就業への道が広がっています。本稿では障害者を雇用する事業者に対して、現在どんな助成があるのかをご紹介します。

 

2014年にインターネット上での情報を中心に調査した結果、日本国内での助成制度が68件見つかりました。助成制度のタイプと主催主幹団体、助成金額の目安などについての概略です。なお以下は調査時点での状況で、その後変更されている可能性はあることをご了承ください。

 

一番数が多いタイプが、社会福祉法人、NPO、ボランティア団体などが行っている障害者就業活動に必要な資金を提供するタイプで、約30件あります。

 

そのほとんどは民間の財団などが主催。

事業所を新設改修する、事業のための設備を購入する、車両を買うなどの必要な事業資金を、上限金額設定ありで必要金額の100%未満を助成するタイプです。

 

申請し、審査を通ると助成金が出て、後日正しく助成金を使った証拠と成果のレポートの提出が求められます。

障害者が働くパン屋さんを開業するのに必要なオーブン設備を購入する、などのイメージです。

雇用した障害者の通勤用の送迎バスの購入なども対象です。

障害と仕事 ~事業者向けの助成金制度~

例えば100万円必要だとすると、80万円を助成します、でも20万円は自己資金を出しなさい、こういう設定の助成金がほとんどです。必要資金の全額は助成してもらえません。

 

次に助成金の数が多いのが、障害者を雇用することに関わる助成。20件以上の助成制度があります。

 

政府系の独法の高齢・障害者雇用支援機構や厚労省が中心。一定の要件で、一人障害者を雇用したら月額2万円助成などの直球勝負の助成制度から、聾の人を雇用したら手話通訳者の委嘱を助成するようなサポートタイプ、バリアフリー改修へ障害者雇用一人当たり200万円助成するような頭数方式などがあります。

 

民間助成金とは違って制度先行型なので、既定の要件さえ満たしていれば、どんどん助成が認められます。ただし、最長期間が設定されていて、一人につき○○万円を最長10年まで、というような制度上の枠がかけられています。

障害と仕事 ~事業者向けの助成金制度~

以下、数的には少数派になりますが、特定の目的が掲げられている、ちょっと面白タイプをご紹介します。

 

法人格をもっていない団体だけを対象(NHK厚生文化事業団)、無認可の小規模作業所だけを対象(ヤマト福祉財団)。

 

在宅障害者の意欲を掻き立てるボランティア活動をしている団体を対象(太陽生命厚生財団)。

 

福祉文化を創造し発展させていく「有望新人」を助成(読売光と愛の事業団)。

 

働く障害者の給料増額に効果的な事業に助成(ヤマト福祉財団)。

 

一発でドンと助成金を出すタイプと、毎月助成金を出すタイプがあり、調査した限りそれぞれのタイプでの最高上限額の助成は以下になります。

 

一発タイプは、社会福祉法人清水基金の機能整備事業への助成と、独法の高齢・障害者雇用支援機構の通勤用のバスの購入助成が700万円。

 

毎月タイプでは、いずれも独法の高齢・障害者雇用支援機構の職場介助者の配置、指導員の配置が月額15万円。

 

事業者への助成金の概要です。障害があっても就業意欲のある人に、多くのチャンスがある社会にしていきたいですね。