障害者雇用の義務化

障害者雇用の義務化

障害者を雇いなさい、という法律があります。雇わないと罰金が科され、雇うと報奨金がもらえる、簡単に言うとそういう法律です。

 

罰金対象の企業は、現在は従業員200人以上の会社が対象で、2015年には100人以上の会社が対象に変わります。雇用数は従業員の2%以上がノルマ。したがって50人以上の会社から1名以上の雇用義務が課せられます。

 

この2%という数値は、労働人口に対する就業希望の障害者数の比率で決定されます。

 

一般に2018年から精神障害者の雇用が義務化される、と報道されていますがこれは誤解です。就業希望の障害者が、現在は身体障害、知的障害だけなのです。2018年からはここに精神障害者も加わるということです。

 

よって2018年からは障害者の就業希望者数が増加して、結果的に雇用ノルマが2%より引き上げられることが予見されている、ということです。細かいことをいうと、2023年までは引上げ猶予ができる、ということまでも法律で定められています。

 

最近の企業の取り組み状況をご紹介します。

 

例えば1万人規模の大企業の場合、2%ですから200人以上の障害者雇用が義務になります。半端な人数ではありません。このノルマに対して「特例子会社」を作って対応している大企業が増えています。

 

特例子会社とは、一定の要件を満たしていれば、その子会社での障害者雇用数を企業グループの雇用数とみなすことが出きる制度です。したがって1万人の企業は、200人の障害者を雇用する特例子会社を一社持っていれば、ノルマを達成したことになります。

 

特例子会社の仕事で多いのは、親会社や同系列の企業グループを対象にした軽作業や一般事務代行などです。親会社のビルの掃除を請け負う、単純なデータ入力作業を請け負うなどの業務。このスキームであれば、大企業として障害者雇用での社会的な責任を果たしながら、雇用した障害者の仕事も確保できます。現在とても流行っているスキームです。

 

ただし、わざわざ別会社にしているのは人事システムを親会社とは変えるためなので、障害者は就職にあたってそのあたりは要注意です。賃金テーブルや退職金制度などが冷遇されている可能性はあります。

 

そういう差別をなくそう、ということで2016年から施行される改正法では「障害者に対する差別の禁止」が定められています。この法律の目的は、採用における差別と不当に安い賃金の排除です。企業は、公正な採用と正当な報酬の支払いが義務付けられます。

 

障害者の一般就労に関して、このような法整備が進められています。特例子会社の現場では、とりあえず雇用して出来る仕事させる、という第一段階から、次のステップに課題が移行してきています。

 

同じ単純作業ばかりを続けさせていいのか、昇給賞与をどうする、社内資格や役職をどう考える、など難問山積です。時間の経過とともに、社員の高齢化などの課題もでてくるでしょう。

 

障害者の一般就労の定着は、超長期で考える社会的な課題です。