ヤオコー川越美術館(埼玉県川越市2015/11)

~駐車場からのアクセスが少しデコボコしますが、それ以外は完全バリアフリーの美術館~

 

川越氷川神社の近くにある美術館で正式名称は「ヤオコー川越美術館 三栖右嗣記念館」です。画家の三栖右嗣氏の作品ばかりを専門に展示中。2012年開館の新しい美術館です。

 

ワンフロア構造の小さな美術館。館内はバリアフリー。障害者用トイレはピカピカです。美術館前には5~6台分の駐車スペースがあり、障害者用駐車スペースも設置されています。

 

デザイナーズ美術館です。設計は建築家の伊東豊雄氏。小さいながらも、実にスタイリッシュでカッコイイ外観の美術館。建設候補地の選定から、伊東氏は積極的に関わったそうです。

 

ただ、バリアフリー目線で言うと、障害者用駐車スペースがエントランスから最も離れた位置にあり、かつエントランスへのアプローチには、駐車場の前の道から廻って行く設計で、しかも駐車場内の路面が、スタイリッシュなのですが少しデコボコ。駐車場からエントランスまでは庇はなく、雨の日は濡れます。

ということで、駐車場からエントランスまでの区間に関して言えば、デザインとバリアフリーの両立がいま一つではあります。

 

障害者手帳の提示で、本人と介助者1名の入館料が無料に減免されます。

美術館内部は区画が4つ。最初の区画は受付とミュージアムショップとトイレ。続く2つの区画が展示室。最後の一つの区画がカフェです。

カフェでは、スーパーヤオコーで人気の「おはぎ」などのスイーツがいただけます。

ヤオコー川越美術館

ヤオコー創業120周年事業として設立された美術館です。展示されている三栖右嗣氏の作品は、ヤオコーオーナー一族のコレクション。

 

徹底した写実主義で知られる三栖氏。老いた実の母親の裸体を写実した「老いる」は、母の身体に刻まれた皺の一本一本が写実されています。

カフェルームに展示されている「爛漫」は、500号の大きさの満開のしだれ桜の写実。息をのむ美しさです。

 

ヤオコーオーナー家の自宅や、ヤオコー本社に飾られていた作品だということ。広く一般に鑑賞する機会が与えられ、作品も喜んでいることでしょう。

三栖氏は2010年に、82歳で逝去されています。美術館開館をみることは出来ませんでした。

 

このような民間の美術館が誕生することは、素晴らしいこと。山種美術館、出光美術館のように、永く歴史を残す民間美術館になっていただきたい。

 

今回訪問したのは好天の休日のお昼前。来館者は、他には1名だけでした。

 

先ずは川越の新名所として、認知が上ることを期待します。

川越市立美術館(埼玉県川越市2015/11)

~障害者用駐車スペースはこの美術館の横にあります、市制80周年記念事業の市民美術館~

 

川越城二の丸跡に建設された市立美術館。隣接して市立博物館もあります。本稿は美術館のご紹介。博物館は別稿をご参照ください。

 

両施設共通で、駐車場は美術館と道を挟んだ反対側にある駐車場が案内されていますが、障害者用駐車スペースだけは美術館の横にあり、無料で利用できます。

 

2002年の開館。バリアフリー美術館です。各種の障害者手帳の提示で、入館料は本人と介助者1名が無料に減免されます。

 

B1から2Fまでの3フロア構造でエレベーターは一基。メインの展示室はB1。1Fは受付と「相原求一朗記念室」「市民ギャラリー」そして「タッチアートコーナー」。2Fは多目的ホール。各階に障害者用トイレが配備されています。

 

1Fの出入り口は2か所。駐車場方面と隣接する博物館方面に出入り口があります。

 

受付のすぐ奥にある「タッチアートコーナー」は、無料エリア。アート作品を手で触ることが出来るコーナーです。作品の横には、タッチ用の“白手袋”あり。素手で触ってはいけません。手袋をしてタッチしてください。

ただ、やや車椅子ではタッチしにくい置き方。車椅子が中に入るテーブルの上に作品がある、というようなバリアフリー的な配慮はありません。頑張って車椅子から手を伸ばして、タッチしてください。

 

「相原求一朗記念室」は、川越の洋画家、相原求一朗氏の作品が展示された小さな展示室。有料エリアです。相原求一朗氏のライフワークになったテーマは川越ではなく「北海道」。北の大地や海を描いた作品が目に付きます。1999年に80歳で逝去。相原求一朗氏は川越市の名誉市民です。

 

B1の展示室は、常設展と企画展の2区画。常設展の展示は、年に4回の入れ替えを実施。今回訪問時の企画展は、埼玉出身または在住の作家4人の展覧会。さすがに市立美術館。埼玉、川越が展示のキーワードです。展示室はバリアフリー。車椅子での利用に、問題はありません。

 

バブル期企画ではなく、川越市制80周年記念として2002年に開館した美術館。平成の不況期に、よく推進できたと思います。その甲斐あってか、今では川越は観光で大成功をしている町。この美術館も、観光の成功に一役買っている施設でしょう。2002年の施設にしては、建物構造的にもバリアフリーな部類だと思います。規模こそ中規模ですが、とても立派な美術館です。

川越市立美術館

一点だけ難点をつけます。

博物館方面への出入り口から出ると、美術館から隣接する博物館に向かう、近道ルートがあります。このルートがデザイン面ではかっこいいのですが、一種の石畳のような路面になっていて、車椅子では通行しにくい道です。車椅子でこの近道ルートをご利用の際には、デコボコを避けるようにご注意ください。

 

市民美術館として、とても立派な施設です。埼玉、川越にコダワル展示もヨシ。美術館だけをサッと見る感じなら、30分コースでも鑑賞できます。川越観光のついでに、ちょっと時間があれば、ぜひご来館ください。

益子陶芸美術館/陶芸メッセ・益子((栃木県益子町2015/10)

~美術館は山の上、車椅子利用者は入口にある障害者専用駐車場の利用がお薦めです~

 

陶芸の町、益子。益子の代表的な文化施設が「陶芸メッセ・益子」で、その中核施設が「益子陶芸美術館」です。美術館は1993年に開館した施設ですが、十分にバリアフリー。車椅子での利用に問題はありません。入館料は障害者手帳の提示で本人と介助人1名が無料に減免。障害者に優しい施設です。

 

アクセス方法からご紹介します。美術館は山の上です。車椅子利用者は車でのアクセスをお薦めします。

車でのアクセスルートは、「益子共販センター」の裏側、共販センター第三駐車場が起点。そこから、こんなところに入っていいのか、と不安になるような道で山の上を目指します。そういう道だと思い定めて、案内板があるのでそれにしたがって行きましょう。

由緒ありげな“門”を車でくぐったりしながら、どんどん進みます。途中に4か所ほど一般駐車場がありますが、スルーしましょう。最後の4番目の駐車場を過ぎて、いましばらく進むと、美術館に到着します。

美術館の正面入り口前に、縦列駐車で2台分の障害者専用駐車スペースがあるので、上手に縦列駐車を決めましょう。

 

美術館入口にチケットを購入する受付があります。ここで障害者用手帳を提示。隣接する「笹島喜平館」との共通入館をいただけます。

益子陶芸美術館/陶芸メッセ・益子

先ずは「益子陶芸美術館」へ。“コの字型”に配置された2階建て建物です。「益子陶芸美術館」は常設展と企画展のコーナーがあり、定期的に展示物が入れ替わります。館内にはエレベーターが一基あるので、2F展示へもバリアフリーにアクセス可能、館内はフラット構造で車椅子での鑑賞に問題はありません。

 

“コの字型”の正面からみて左側は、ミニ展示室と喫茶、お土産物のコーナー。益子焼も売っています。

 

トイレは喫茶コーナーの隣で、障害者用トイレが完備。設備、広さ、清潔感とも合格の立派なトイレです。安心してご利用ください。

益子陶芸美術館/陶芸メッセ・益子

隣接する「笹島喜平館」へは、バリアフリーに移動できます。「笹島喜平館」の前庭は、小規模ながらも手の入ったお庭。このお庭も鑑賞しましょう。

 

「笹島喜平館」内は、小さな展示室になっていて、木版画家の笹島喜平氏の作品が展示されています。師匠は棟方志功氏。そういう画風です。

館内はバリアフリー。車椅子での利用に問題はありません。

 

「益子陶芸美術館」が山頂だとすれば、山の中腹に「陶芸メッセ・益子」の施設として、益子焼の名工濱田庄司氏が住んでいた邸宅を移築した「旧濱田庄司邸」。濱田庄司氏が生前愛用していた焼き窯を移築復元した「登り窯」。そして「陶芸工房」があります。

「旧濱田庄司邸」や「登り窯」は、バリアフリーではありませんが、車椅子でも眺めることはできます。近くに駐車スペースがあるので、無理のない範囲でご鑑賞ください。

 

「益子共販センター」を中心にした益子焼の商業ゾーンは、やや俗っぽい雰囲気がありますが、陶芸メッセ・益子の各施設は、凛とした大人の雰囲気が漂います。

 

中核施設の「益子陶芸美術館」は、陶芸の世界に触れる高質な文化施設です。車椅子での快適な利用が出来る、障害者に優しい施設。車でのアクセスを前提に、強くお薦めできる施設です。お出かけ下さい。