季節割烹弥左衛門(東京都小平市2015/11)

~郊外型単独飲食店で完全バリアフリーを標榜、新しいマーケティングを感じるお店~

 

お店の一番のウリが「完全バリアフリー」です。小平市の新青梅街道沿い、おそらくはチェーン店ではなく単独店。“旨い・安い・早い”ではなく、バリアフリーをPRの中心に据えるマーケティングを行っています。和食のお店で、宴会、法事需要などを狙っていますが、個人客ももちろん利用OKです。

 

どのような「完全バリアフリー」なのか、試しに利用してみました。

 

1Fに広くて設備もフル装備の障害者用トイレが一つ設置。確かに、このトイレは上質です。コストもかかったと思いますが、こういうトイレがあると車椅子利用者は安心です。

 

2階建ての店舗で、エレベーター完備。2階までしかないエレベーターなのですが、車椅子と他3名ほどは乗れるほどの通常サイズのエレベーター。こちらも合格。当たり前のようですが、郊外型単独店舗で、こういうトイレとエレベーターがあるお店は、まだまだ稀です。

 

お席は1Fが少人数用の席とカウンター。2Fが宴会などに対応できる可動式の個室。お店の広告を見ると「テーブル席は椅子をどかせて車椅子でも利用できます」「個室は釣り扉でスムーズな開閉、車椅子でのお客様に大変好評です」とあります。実際に見ても嘘はありません。バリアフリーマーケティングです。

 

正確ではないのですが、多分2年か3年前に出来た店舗だと思います。店舗としての知名度はゼロからのスタート。何を売りにするのかを考え、バリアフリーを目玉にしようと決めたと思われます。大資本のテストマーケティングではなく、単独店として新しいマーケティングを感じるお店。面白い狙い処です。

 

車椅子利用者から見て、近年できた新しい大型施設はバリアフリーで安心して利用できますが、一般的な郊外型飲食店である“ファミレス”などは、まだまだバリア店舗。

平屋建ての場合、入口段差解消のスロープくらいは、多くのお店で設置されてきましたが、トイレや座席などはまだまだです。

 

ピロティ―方式のお店で、エレベーターがあるお店もまだ数少ないのが実際。ましてや地元資本の単独飲食店は、バリアフリー対応はほぼ絶望的。事前に確認しておかないと、車椅子では怖くて利用できません。

季節割烹 弥左衛門

これからの時代、「弥左衛門」さんのように、郊外型飲食店で完全バリアフリーを標榜するマーケティングが流行るでしょう。バリアフリーで困る人はいません。最初からそういう思想で設計建築すれば、それほどたいしたことではありません。そしてそれを、PRの中心に据えるマーケティング。いいですね。

 

単独飲食店で、車椅子マークを掲げている、障害者用駐車スペースを設定している、車椅子可と看板が出ている、などのお店はママあります。経験上のことですが、うかつに信じてはいけません。

そもそも完全バリアフリー設計がされていないお店の場合、実際に車椅子を使う身から見れば、課題が多いお店がほとんどです。

 

まだまだそれが現実ですが、「弥左衛門」さんの事例を見ると、この先が楽しみです。こういうお店が増えることを期待します。

佐島周辺の地魚料理店(神奈川県横須賀市2015/09)

~通のグルメが集う旨いモノ処、身体障害があっても挑戦できる?お店のご紹介~

 

湘南佐島で地魚料理を美味しくいただきましょう。

ところが残念ながら、あまりバリアフリーではありません。とはいっても、人によって身体障害の状況は様々。一般的にはバリアフリーではなくても、私はこのお店にいける、という調査研究そして発見が大切です。

 

バリアエリアの旨いモノ処の最新情報です。いずれのお店も障害者用トイレはありませんが、洋式トイレです。

 

エリア人気一番店は「海辺」。お手頃な価格と海に面したテラス席が人気です。

その昔は現在もある“本店”と、マリーナ2階のお店の2店舗体制でした。それがマリーナ店の建物がなくなり、“本店”の横にお寿司メインの兄弟店ができ、更に現在では本店と兄弟店がほぼ一体になっています。

兄弟店の目の前にあった3台分の駐車スペースは実態的になくなり、やや離れた駐車場だけ。ただこの離れた駐車は、かつてのオフロード駐車場ではありません。きちんと舗装されました。

メインの出入り口は今でも少し段差があります。そこを乗り越えれば、店内は普通のテーブル席があり、車椅子でも利用可能です。

テラス席に行くには、また多少の段差を乗り越える必要があります。テラス席のテーブルは、車椅子でも利用できるタイプと、ベンチタイプの利用し難いタイプがあります。

 

もっともバリアフリーに近いお店は「はまゆう」。店舗の前に整備された駐車場があり、店内は通常のテーブルタイプの席です。外の芝生のお庭にもテーブルが配置されています。

 

残念ながら、建物への出入り口には段差があります。建物に入らずに周囲を廻ってお庭の席に行くのが、もっともバリアフリールートといえるかもしれません。もっとも突然お庭に行くと、店の人に驚かれると思いますが。

 

次はお隣の「かねき」。駐車場は店舗に隣接していて便利。出入り口はもっとも段差が無いのですが、席はお座敷が主力。カウンターを上手く使えば、車椅子でも何とかなりますが、まあ一般的には車椅子利用には無理がありますね。

佐島周辺の地魚料理店

最後に「おくむら」。佐島入口の134号線沿いにあり「魚は旨いがシケには弱い」という名コピーが掲げられているお店です。

こちらが身体障害のある人にはもっともアドベンチャーコースのお店。駐車場はお店の“裏手”で、どこがお店の駐車区分なのか解り難い駐車場。お店の出入口は段差あり。更に小間上がりの座敷と狭いカウンター席が5席あるだけ。車椅子は入らないレベルの狭い店内空間です。

杖や介助歩行が可能な人なら、頑張れば利用できます。

 

地魚料理のお店以外では中華の「フラミンゴ食堂」があり、こちらは階段で2階へ行く構造。もう一軒の中華は「福苑」。地元の人のお店といってよく、お店の前のわずかなスペースに車が停めるかが最初の課題で、狭いながらも入れば何とかなるお店です。

 

いずれも人気店です。特にランチタイムは驚くほどの行列が出来ることも珍しくありません。平日でも混みます。休日はもっと混みます。ランチタイムは14時過ぎでも、まだ混んでいることも珍しくありません。

 

季節は問わず、通年人気です。でも、人気があるということは、いいお店だということ。身体障害があっても、行ってみたいですよね。

 

つかまり立ちが出来る人なら、屈強な介助者がいれば「海辺」のテラス席も不可能ではありません。更に、車椅子から一般の椅子に移動して食事が出来る人なら、カウンター席を利用すれば「かねき」「おくむら」にも挑戦可能です。

 

美味しい地魚料理を求めて、是非とも気合を入れて挑戦してください。

魚の駅生地・生地の清水(富山県黒部市2017/05)

~清水の里の美味しいバリアフリー施設と車椅子で利用できる弘法の清水~

魚の駅生地・生地の清水

・黒部川の伏流水が湧き出る町、生地

富山県生地(いくじ)は、清水(しょうず)の里。北アルプスの峡谷で生れた水が湧きだす清水が、町の各所にあり生活用水として利用されています。現在でもそのまま飲める、美味しい天然水。バリアフリー施設「魚の駅生地」を核に、ただ今観光町興し中の生地です。

魚の駅生地・生地の清水

・黒部漁協の美味しいものがある安心のバリアフリー施設

「魚の駅生地」は車椅子で安心して利用できるバリアフリー施設です。ショップ中心の「とれたて館」と、食事処の「できたて館」の2棟構成。インドア障害者用トイレは、「できたて館」の中にあります。両棟とも、通路幅やスペースの余裕は並みレベル。混雑していなければ、車椅子での利用に大きな問題はありません。2棟の間は広々してフラットなウッドデッキ。黒部漁港をみることができます。

魚の駅生地・生地の清水

・「とれたて館」にイートインスペースあり

「とれたて館」の30%は、鮮魚売り場。黒部漁協からの新鮮な海の幸が並びます。売り場の横にはベンチ席があり、お刺身、岩牡蠣など、その場で鮮魚類をいただけます。実際いただきました。安くて旨い。小皿、割りばし、お醤油などの用意もあり。ラフなベンチ席で、車椅子での利用はあまり想定されていませんが、なんとかなると言えば何とかなる。ご自身の障害の状況に応じて、ご利用の可否をご判断ください。

魚の駅生地・生地の清水

・清水ツアーで町興し

生地には正式に認定されている清水が18箇所もあります。昏々と湧き出る地下水を、自由に利用できる清水。清水ツアーも盛んです。ただ、18箇所を廻ると、2時間コース。今回は「魚の駅生地」の近くにだけ、寄ってみました。

「弘法の清水」はもちろん弘法大師由来の清水。車椅子でも立ち寄れます。ただし柄杓で湧水を飲むには、やはり健常な介助者がいると便利。生地の清水巡りは、出来れば健常者と一緒にお出かけ下さい。

 

・スレテいない町を観光したい方にお薦め

生地の町の観光は良い雰囲気。生活感のあるスレテいない町に、美味しい海の幸、清らかな湧水。そしてバリアフリー拠点の「魚の駅生地」。季節の良い好天の日に訪れたい、大人の観光スポットです。ここはお薦め。車椅子でお出かけ下さい。