天王崎観光交流センター コテラス(茨城県行方市2015/12)

~屋上からの眺めは美しい、霞ヶ浦の景勝地に誕生したバリアフリー施設~

 

2013年に誕生した、観光拠点と地域交流を目的とした施設。日帰り温泉、産直ショップ、そして会議室や多目的室など地域住民のための公共施設があります。

 

2階建てで、屋上は眺望バルコニー。この年代の施設なのでバリアフリー。障害者用駐車スペース設置。綺麗な障害者用トイレ完備、エレベーターは一基。車椅子で快適に利用できる施設です。

ただし、日帰り温泉の設備には、特別なバリアフリー面での配慮はないようです。

 

場所は夕陽の美しさで知られる「天王崎公園」。この公園は湖岸を埋め立てて造られたそうです。霞ヶ浦を一望し、筑波山が見える景勝地。条件が良い日は、富士山の雄姿も。バリアフリー後進エリアの霞ヶ浦周辺に、このようなバリアフリー施設が誕生したのは素晴らしいこと。車椅子利用者は、霞ヶ浦観光での必須立ち寄りスポットです。

現時点で、霞ヶ浦周辺で、一番綺麗な障害者用トイレはここ。休憩だけでも利用しましょう。

 

今回は休日の昼過ぎに訪問しました。日帰り温泉は、地元の人でソコソコの入りの様子。名称は「あそう温泉 白帆の湯」。今回は利用しませんでしたが、霞ヶ浦をのぞむ展望風呂や露天風呂が自慢のお風呂です。

 

産直ショップは小規模なもの。簡単なカフェも併設。それをスタッフ1名での営業でした。

 

1Fの霞ヶ浦側はテラス。冬場は営業していませんが、足湯もあります。

天王崎観光交流センター コテラス

この1Fテラスからも霞ヶ浦ビュー。更に屋上には展望デッキ。こちらからは更に霞ヶ浦ビュー。いずれも車椅子での利用に問題はありません。

 

小規模な施設ながら、1Fと2Fのそれぞれに障害者用トイレが配置されています。有り難い配慮です。

天王崎観光交流センター コテラス

こちらの施設、観光拠点として、期間限定で「観光帆引き船」の見学乗車船の乗合基地になります。

2015年の企画では、霞ヶ浦の3市、「行方市」「かすみがうら市」「土浦市」が共同開催。それぞれの市で開催期間は違いがあり、ここ行方市の開催は9月5日から12月6日までの土日開催。お一人2000円で「観光帆引き船」に伴走する見学乗車船に乗るという企画です。午後に2回の運行で、2回目の15:30からの運行は「夕陽操業」と銘打っています。

 

他には、1月のわかさぎ釣り大会の拠点になるようです。観光拠点として、活躍している「コテラス」です。

 

観光地としてマイナーであることと、規模的に迫力に欠けるので、開業2年経過しましたが、一般の知名度はいま一つ。ただ、このエリアでは、間違いなく希少なバリアフリー観光拠点です。

 

施設内から、車椅子でゆっくりと安心して霞ヶ浦の眺望を楽しめる施設は、数少ないもの。こちらの自慢は夕陽です。夕焼け時を狙って、お出かけください。

小平ふるさと村(東京都小平市2015/10)

~村の再現施設なのでバリアフリーではありませんが、障害者用駐車場はあります~

 

5棟の古民家に明治の郵便局、そして江戸期の水車などが移築展示されている施設です。江戸初期。開拓時代の小平の新田村落がモチーフ。そのため、路面はガタゴト、古民家は段差ありと、当然ながらバリアフリーな施設ではなく、車椅子で見学可能な範囲は限定されます。入場は無料。休園日があり、開園時間は10時から16時。計画的に利用しましょう。

 

場所は西武新宿線の花小金井駅と小平駅のちょうど中間。どちらの駅からも、徒歩20分という案内になっています。小平グリーンロードと呼ばれる、西東京市から多摩湖までを繋ぐサイクリングロードに面した立地。元気な健常者が、自転車やウォーキングの途中で立ち寄る施設。基本、車椅子利用者のための施設でありません。

 

一般駐車場はありませんが、障害者用駐車場だけ3台分用意されています。場所はちょっと解りづらいところ。旧青梅街道から、小平ふるさと村の西脇に抜ける間道に入り、小平グリーンロードを横切って進んだ先にあります。特にスタッフはいません。勝手に停めて使う無料駐車場です。

 

入口は小平グリーンロード側です。入口付近の路面はガタゴトです。車椅子利用者は、慎重に進みましょう。

 

入口正面にあるのが「旧小平小川郵便局舎」。明治後期の1908年築。昭和の終盤1983年まで現役だったということ。小平市小川町一丁目に存在していたそうで、80年代にこの郵便局舎が使用されていたとは驚きです。入ろうとするといきなりバリア。車椅子では、外から眺めるだけと割り切った方がいいでしょう。

 

正面入口のすぐ右側に「管理棟」があります。ここは車椅子で突入可能。狭く小さな施設ですが、お土産コーナーになっています。無料でいただける「しおり」などもあるので、せっかく来たなら寄りましょう。狭い店舗にスタッフが常駐していますが、何も買わなくても許される雰囲気です。安心してご利用ください。

 

「管理棟」の先にはオフロード広場があり、竹馬、コマ回しなどで遊べるようになっています。この広場のメイン展示は「旧神山家住宅主屋」。この古民家は江戸中期に造られ、江戸後期にリニューアルされたものだそうです。江戸中期から後期の武蔵野新田農家のありようを伝える古民家。土間やカマドがリアルに現存されていて、カマドは最近も使用されている気配があります。ただし、当然ながら屋内はバリアゾーン。車椅子で、無理は出来ない古民家です。

 

この古民家の北側に川が造られ、江戸時代の水車小屋が移築されています。車椅子でも、なんとか川にかかる橋にたどり着けます。頑張って水車を見学しましょう。

小平ふるさと村

このあたりまでが車椅子での通行限界。その先にある「開拓当初の復元住宅」や「旧小川家住宅玄関棟」のあたりは、車椅子で突っ込むにはそうとう気合を入れる必要があります。並みの車椅子ユーザーにはお薦めしません。頑張れる車椅子利用者だけ挑戦してください。

 

1992年に“開村”した施設です。“ふるさと村”ですから、バリアフリーではないのは当然。とはいえ、2010年代に設計されたら、せめてメイン通路くらいはバリアフリーに整備されたでしょう。それだけワイルドさが残る、“ふるさと村”です。障害者駐車場はあるので、バリアに挑戦する気合が入ったときに、ご利用ください。

自由学園明日館(東京都豊島区2015/07)

~フランク・ロイド・ライト設計、1921年築、池袋にある国の重要文化財~

 

自由学園「みょうにちかん」と読みます。現在、東京都東久留米市にある学校、自由学園。その発祥の校舎です。

 

関東大震災、戦災を免れ、往時のままの姿で現在に残り、1997年に国の重要文化財指定を受けました。近年は結婚式場として人気です。

自由学園明日館

有料での一般公開も行われています。館内は完全バリアフリーではありませんが、車椅子でも70%程度は見学が出来る施設です。

 

最近では“愛子さまの玩具”で有名かもしれません。その種の報道がされた後は、扱っている売店に長蛇の列ができたこともあったようです。現在では一過性のブームも過ぎ、落ちついて見学が出来る状況になっています。

 

場所は池袋。区画整理が全く進まなかったエリアの一角を、くねくね曲がる狭い道を通って向かいます。現地に駐車スペースは全くありません。歩くかタクシー利用かで、お出かけください。

自由学園明日館

通常は月曜日が休館日。それ以外の曜日の日中の時間帯と、第三金曜日だけは夜間の時間帯に見学ができます。

入館料は400円で、喫茶付き見学は600円。コンサートや結婚式などのイベントが入っている日は、外観だけの無料見学デーになります。

日によって様々なケースがあり得るので、お出かけ日程がきまったら、事前に状況を確認していただくのが賢明です。

自由学園明日館

明日館の構造です。中庭を囲んでコの字型に建物が配列されています。正面中央が「ラウンジホール」、その2階部が「食堂」。「ラウンジホール」の両脇に「大教室」と「会議室」がシンメトリーに並びます。

自由学園明日館

正面から見ると、高さを抑えた地を這うような佇まい。設計者ライトの故郷の北米の大草原をイメージしたということで、プレイリースタイルと呼ばれています。

 

また質素な建築を求めて、ツーバイフォー建築の先駆けのような手法が用いられていて、一部のドアにはべニア板が使われています。

 

ホールの天井は「船底天井」という日本建築様式。和洋折衷の設計となっています。

 

道を挟んだ敷地にあるのは「講堂」。現在は改修工事中で利用できません。完成は2017年3月の予定です。

 

創立当時は女子校だったそうです。創立者、羽仁吉一、もと子夫妻は、先に雑誌「家庭之友」を創刊し、新しい女性の生き方を提案。そして自由学園を創立して、新しい女性への教育を目指しました。「家庭之友」はのちに「婦人之友」に改称。明日館の隣接地にある「婦人之友社」は羽仁吉一氏が設立した出版社です。

 

建物を活用しながら保存する「動態保存」の重要文化財です。今回訪問した時は、結婚式の最中でした。ちょうど正面「ラウンジホール」の前で、新郎新婦が記念撮影をしています。

 

建物の老朽が顕在化した1999年から3年かけて大改修を行い、結婚式や音楽会などが出来る建物に生まれ変わらせて、人気施設として使われています。

このような「動態保存」の試みはいいですね。ただ、オリジナルの設計を変えていなので、完全バリアフリーではありません。当然2階へは階段のみです。車椅子ユーザーはご承知ください。

自由学園明日館

自由学園は、現在でもとても個性的な教育を行っている学校です。本稿では自由学園の教育プログラムの詳述は避けますが、普通の学校とはかなり違うと思ってください。

 

創立当時はどのような教育プログラムだったのでしょうか。現在まで続いている昼食の在り方。全校生徒と全教職員が集まり、手作りのあたたかい昼食をいただくことは、羽仁夫妻が願った教育の基本だそうです。

 

食堂が建物中心にあるのは、その方針に設計者のライトが応えたものと言われています。

 

往時から現代まで続く、自由学園の教育方針に思いをはせながら、明日館をご覧下さい。

池袋から徒歩圏にある、重要文化財です。